出来事より「意味づけ」が苦しさを大きくするとはどういうこと?

同じことが起きても、

気にならない人もいる。

ずっと引きずる人もいる。

たとえば、

送ったLINEに返事が来ない。

それだけで、

「忙しいのかな」

と思う人もいれば、

「嫌われたかもしれない」

「何か変なことを書いたかな」

「怒らせたかもしれない」

と不安になる人もいます。

起きている出来事は同じです。

でも、そのあとに起きることは同じではありません。

では、

その違いはどこから生まれるのでしょうか。

そとがわメソッドでは、

実際に起きた出来事と、

その出来事についた意味を分けて見ます。

この意味づけを、

そとがわメソッドでは

「いろづけ」

と呼んでいます。


目次

私たちは、出来事そのものだけに反応しているわけではない

たとえば、

職場で相手の声が少し低くなった。

ここで確認できる出来事は、

「相手の声が低くなった」

です。

でも、その瞬間、

「怒っている?」

「私に不満がある?」

「何かまずいことをした?」

と感じることがあります。

すると、

胸がざわつく。

相手の表情を見る。

自分がさっき言ったことを思い返す。

いつもより丁寧に話す。

「大丈夫ですか?」

と確認する。

ここまで来ると、

本人にとっては、

「相手の声が低くなった」

ではなく、

「相手が私に怒っている」

という出来事のように感じられます。

でも、

この二つは同じではありません。

相手が本当に怒っている場合もあります。

疲れているだけかもしれない。

考え事をしているかもしれない。

体調が悪いかもしれない。

その時点では、

声が低くなった理由までは確定していません。

つまり、

私たちは出来事そのものだけではなく、

その出来事が自分にとって何を意味したのか

にも反応しています。


「嫌われた」は出来事ではないことがある

たとえば、

メッセージを送った。

数時間たっても返信が来ない。

ここで、

「返信がまだ来ていない」

は出来事です。

一方で、

「嫌われた」

「無視されている」

「大事にされていない」

は、

その出来事についた意味かもしれません。

でも反応の中にいると、

この二つは分かれません。

「返信が来ない」

と

「嫌われた」

が一つになり、

「嫌われたから不安になっている」

ように感じます。

そこで分けてみます。

出来事
返信がまだ来ていない。

いろづけ
嫌われたかもしれない。

反応
不安になる。何度もスマホを見る。

こうして分けると、

「嫌われたと思うのは間違い」

と否定しなくても、

今、自分の中で何が起きているのか

を見ることができます。


意味づけは、自分で考えて選んでいるとは限らない

ここで、

「だったら悪い意味に考えなければいい」

と思うかもしれません。

でも、

いろづけは必ずしも、

じっくり考えて選んでいるわけではありません。

相手の表情が変わった瞬間に、

もう不安になっている。

強い口調を聞いた瞬間に、

身体が緊張している。

頼まれた瞬間に、

「大丈夫です」

と言っている。

頭で考えるより先に、

意味と反応が立ち上がることがあります。

過去の経験。

その人との関係。

その場の状況。

身体の状態。

これまで学習してきたこと。

いろいろなものが影響して、

その出来事が、

自分にとって何を意味するかが決まることがあります。

だから、

「考えすぎないようにしよう」

「気にしないようにしよう」

と頭で言い聞かせても、

同じ反応が起きることがあります。


意味がつくと、その反応は自然になる

たとえば、

頼まれると断れない。

本人は、

「無理なら断っていい」

と知っています。

でも、

頼まれた瞬間に引き受けてしまう。

ここで、

「断る」

という行動に、

「相手を困らせる」

という意味がついていたとします。

さらに、

相手を困らせる

↓

嫌われる

↓

関係が悪くなる

となっていたら、

どうでしょう。

その人にとっては、

ただ「断る」だけではありません。

断ることが、

人間関係を危険にする行動

になっています。

その条件なら、

断らない方が自然です。

「意志が弱いから断れない」

だけではなく、

断らない方が安全になる仕組みが成立している

と見ることもできます。

→ 頼まれると断れないのはなぜ?「断っていい」と分かっていても断れない理由


苦しさを大きくするのは、出来事だけではない

ここで、

「じゃあ全部、自分の意味づけのせいなんですね」

という話でもありません。

現実に困る出来事はあります。

誰かが怒っていることもあります。

傷つく言葉を言われることもあります。

環境そのものに問題があることもあります。

そとがわメソッドでは、

外側の問題まで

「全部自分の受け取り方です」

とはしません。

ただ、

現実に起きたことと、

その出来事から自分の中でさらに起きたこと

を分けます。

たとえば、

注意された。

という出来事から、

「嫌われた」

「私は仕事ができない」

「私は価値がない」

まで進んだとします。

最初に起きたのは、

注意されたことです。

そこから、

自分の存在全体にまで意味が広がっている。

この広がりが、

元の出来事以上に苦しさを大きくすることがあります。


さらに「こんなふうに受け取る自分はダメ」が加わることもある

意味づけによって不安になった。

そのあと、

「また考えすぎている」

「気にしないって決めたのに」

「こんなことを気にする私は弱い」

と思う。

すると、

最初の出来事と反応に加えて、

その反応をした自分への評価

まで増えます。

出来事。

いろづけ。

反応。

さらに、

その反応に対する自分責め。

一つに見えていた苦しさの中に、

いくつものものが重なっています。

だから、

「もっとポジティブに考えよう」

だけでは終わらないことがあります。


「現実」と「自分の中で起きたこと」を分けて見てみたい方へ

無料講座では、

出来事。

いろづけ。

反応。

その反応に対してさらに起きること。

そして、

「なぜそれが必要なのか」

を順番に見ていきます。

正しい考え方へ直すためではなく、

自分の中で何が起きているのかを見られるようになるため

の講座です。

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いろづけを「正しい意味」に直す必要はない

たとえば、

返信が来ない。

そこで、

「嫌われた」

と思った。

だからといって、

「いや、絶対忙しいだけ!」

と思い込む必要はありません。

それも、

一つの意味を別の意味に置き換えているだけになる場合があります。

その時点では、

どちらが正しいのか分からないこともあります。

見るのは、

私は今、この出来事にどんな意味をつけているのか。

です。

「嫌われたかもしれない」

が出たなら、

まず、それが出たことを見る。

そして、

その意味がついたときに、

何が起きたのかを見る。

不安になった。

身体が緊張した。

返信を何度も確認した。

別のメッセージを送りたくなった。

そこまでを見ます。


いろづけがあること自体は悪くない

人は、

何の意味もつけずに生活しているわけではありません。

経験をもとに、

状況を判断します。

危険を予測します。

人との関係を考えます。

次に何をするか決めます。

意味づけは、

生活するためにも使われています。

だから、

「いろづけをなくそう」

という話ではありません。

問題になりやすいのは、

いろづけを、出来事そのものだと思っているとき

です。

「嫌われたかもしれない」

が、

「嫌われた」

になる。

「失敗するかもしれない」

が、

「失敗する」

になる。

「迷惑だと思われるかもしれない」

が、

「私は迷惑な人間だ」

になる。

すると、

その意味に合わせて反応することが、

ますます自然になります。


まずは「何が起きた?」と分けてみる

何かに強く反応したとき。

すぐに原因を探す前に、

こんなふうに分けてみます。

出来事
実際に何が起きた?

いろづけ
それは、自分にとって何を意味した?

反応
身体・感情・思考に何が起きた?

行動
その結果、何をした?

たとえば、

出来事
上司から「あとで話がある」と言われた。

いろづけ
怒られるかもしれない。

反応
胸がざわつく。仕事に集中できない。

行動
頭の中で何度も原因を探す。

このように分けます。

正しい答えを出す必要はありません。

まず、

出来事と、自分の中で起きたことは同じではない

と見られるだけでも十分です。


「現実がこうだから」だけではなくなる

出来事といろづけが一つになっていると、

「相手が怒っているから不安」

「嫌われたから苦しい」

「失敗するから怖い」

と見えます。

でも分けられると、

「私は今、この出来事をこう受け取っている」

という見方が加わります。

現実を否定するわけではありません。

自分の感じ方を否定するわけでもありません。

ただ、

その両方を分けて見る。

それが、

反応の中にいる状態から、

反応を観察する状態へ移る最初の入口

になります。

理論として「出来事といろづけ」をさらに詳しく読みたい方はこちら。

→ 出来事と「いろづけ」とは


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「正しい受け取り方」に変えなくてもいい

返信が来ない。

注意された。

相手の表情が変わった。

頼みごとをされた。

実際に起きたことに、

「嫌われたかもしれない」

「私はダメだ」

「怒られるかもしれない」

「断ったら関係が悪くなる」

という意味がつくことがあります。

その意味がついたなら、

不安になることも、

身体が緊張することも、

相手を確認したくなることも、

断れなくなることもあります。

そこで、

「もっと前向きに考えよう」

「気にしないようにしよう」

「正しく受け取ろう」

と、新しい意味へ直さなくても構いません。

まず見ることができるのは、

実際に何が起きたのか。

そこに、自分は何を足したのか。

そして、

その意味がついたことで、何が起きたのか。

出来事といろづけを分けるのは、「考え方を正しくする」ためではありません。

今まで一つの現実に見えていたものを分け、

自分の中で反応がどう成立しているのかを見られるようにするためです。

無料講座では、まずこの「出来事といろづけを分ける」ところから始め、そのあとに反応や行動、さらに「なぜその反応が必要なのか」まで順番に見ていきます。

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この記事を書いた人

そとがわメソッド開発者。心理学・自己啓発・潜在意識などを学んでも自己否定が終わらなかった自身の経験から、「自分を変える前に、何が起きているのかを見る」そとがわメソッドを開発。著書『自分を否定しない練習』。
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