頼まれると、
本当は嫌でも、
「大丈夫です」
「やります」
と言ってしまう。
あとから、
「なんで断らなかったんだろう」
「また引き受けてしまった」
と後悔する。
「無理なときは断っていい」
「自分を大切にしていい」
そんなことは、もう分かっている。
それでも、
実際に頼まれた瞬間になると、
断れない。
もしそうなら、
足りないのは、
「断っていい」という知識ではないのかもしれません。
見るのは、
頼まれた瞬間、
「断る」という選択に
何が起きることになっているのかです。
断れないのは、断り方を知らないからとは限らない
断り方を調べれば、
いろいろ出てきます。
「今回は難しいです」
「予定があるのでできません」
「今は余裕がありません」
言い方は分かる。
でも、
その言葉を使えない。
だとしたら、
問題は言葉そのものではない可能性があります。
断ったあとに、
何が起きると思っているのか。
そこを見ます。
頼まれた瞬間、何を考えていますか?
たとえば、
仕事を頼まれた。
その瞬間、
「嫌だな」
と思った。
でも、
すぐに、
「断ったら困るかな」
「感じ悪いと思われるかな」
「みんなやってるし」
「これくらいやるべきかな」
「断ったら次から頼られなくなるかな」
と考える。
すると、
「やりたくない」
より、
その先に起きるかもしれないことの方が大きくなります。
「断る」がただの選択ではなくなる
断ることが、
単に、
「今回はやらない」
という意味なら、
選択肢の一つとして扱えます。
でも、
自分の中で、
断ることが、
「相手を困らせる」
「わがまま」
「役に立たない人になる」
「嫌われる」
「関係が悪くなる」
「迷惑をかける」
ことになっていたら、
断ることにはリスクが生まれます。
そうすると、引き受ける方が安全になる
頼まれた。
断ると何か起きそう。
なら、
引き受ける。
そうすれば、
少なくともその場では、
相手を困らせずに済む。
嫌な顔をされない。
関係も壊れない。
自分が悪い人になった感じもしない。
すると、
引き受けることには、
負担だけではなく、
その場を安全に終わらせる働き
も出てきます。
だから、
「嫌なら断ればいい」
だけでは動けないことがあります。
断れなかった自分を責めると、二つ目の苦しさが増える
頼まれて引き受けた。
疲れた。
しんどかった。
ここまででも負担があります。
そこへ、
「また断れなかった」
「自分軸がない」
「人に合わせてばかり」
「全然成長してない」
が加わる。
すると、
頼まれたこととは別に、
断れなかった自分への評価
が増えます。
「境界線を引こう」と思っても難しいことがある
境界線を持つ。
人の課題と自分の課題を分ける。
無理なことは断る。
それも知っている。
でも、
実際には、
断ろうとした瞬間に不安が出る。
だとしたら、
境界線が「ない」のではなく、
境界線を使うと何が起きると思っているか
を見ることができます。
断ることが「相手を傷つけること」になっていないか
頼みを断る。
すると、
相手ががっかりするかもしれない。
困るかもしれない。
嫌な顔をするかもしれない。
ここで、
相手が残念に思うことと、
自分が悪いことが、
一つになっていないでしょうか。
相手が残念に思うことはあります。
でも、
相手が残念に思ったことだけで、
自分の選択が間違いだったとは決まりません。
相手の反応まで、自分の責任になっていないか
断った。
相手が不機嫌になった。
すると、
「やっぱり断るべきじゃなかった」
となることがあります。
でも、
自分が断ったことと、
相手がどう反応するかは、
同じものではありません。
自分は、
引き受けるか断るかを選べます。
相手は、
それをどう受け取るかを選びます。
影響し合うことはあっても、
完全に同じではありません。
「できる」と「やるべき」が混ざることもある
時間的にはできる。
頑張ればできる。
だから、
やるべき。
となることがあります。
でも、
できることと、引き受ける義務があることは別です。
空いているから断ってはいけない。
自分の方が得意だからやるべき。
相手が困っているから助けるべき。
そういう「べき」が、
どこから来たものなのかを見ることができます。
頼られることに意味がある場合もある
頼られると、
必要とされている感じがする。
役に立てている感じがする。
信頼されている感じがする。
そういうこともあります。
その場合、
断ることは、
仕事を一つ断るだけではなく、
「必要とされる自分」から外れることになるかもしれません。
だから、
断ることが難しくなる場合があります。
断らないことで関係を守っていることもある
今まで、
引き受けてきた。
合わせてきた。
頼まれたら応えてきた。
すると、
関係そのものが、
その形で成立していることがあります。
そこから急に断ると、
何か変わりそうで怖い。
だから、
今まで通り引き受ける。
ここでも、
断らないことには、
その人なりの理由があります。
「断りたいのに断れない」は矛盾ではない
やりたくない。
でも断れない。
一見、
矛盾しているように見えます。
でも、
分けてみると、
両方成立することがあります。
「やりたくない」
という反応がある。
一方で、
「断ったら困ることが起きる」
という予測もある。
その場合、
やりたくなくても、
引き受ける方が自然になることがあります。
「嫌われてもいい」と思おうとしなくてもいい
断るには、
嫌われる覚悟が必要。
そう言われることがあります。
でも、
本当に毎回、
「嫌われてもいい」
と思える必要があるでしょうか。
嫌われたくない。
関係は悪くしたくない。
その気持ちがあってもいい。
そのうえで、
今回は引き受けるのか、
断るのか、
別の条件を出すのか。
選択肢を残すことはできます。
断る・引き受けるの二択だけでもない
頼まれたら、
YESかNO。
そう思うと、
断るのが怖い人にとっては、
YESしか残らなくなることがあります。
でも、
実際には、
「今日はできないけど明日ならできる」
「ここまではできる」
「今回は難しい」
「別の人にも確認してほしい」
という選択肢もあります。
大切なのは、
正しい断り方を覚えることではなく、
その場で選択肢が一つしかない状態になっていないかを見ること
です。
断れない場面には、それぞれ違う理由がある
仕事では断れるけれど、
家族には断れない。
友人には断れるけれど、
上司には断れない。
ある人にだけ断れない。
そんなこともあります。
もし、
「断れない性格」そのものが原因なら、
どこでも同じように断れないはずです。
でも、
実際には場面によって変わる。
なら、
見るのは性格だけではありません。
その相手。
その関係。
その場面。
そこで断ることに載っている意味です。
今日見るなら「断ったら何が起きると思った?」
次に何か頼まれたとき、
すぐに断ろうとしなくても構いません。
まず、
一つだけ見てみてください。
「断ったら、何が起きると思った?」
嫌われる?
困らせる?
がっかりされる?
役に立たないと思われる?
怒られる?
関係が悪くなる?
それが分かると、
なぜ引き受ける方が必要になったのかが、
少し見えやすくなります。
「また断れなかった」と採点しなくてもいい
今日は断れなかった。
それでも、
見ることはできます。
何を頼まれた?
そのとき何を感じた?
断ることは何を意味した?
その先に何が起きると思った?
だから何を選んだ?
ここまで見えると、
「断れない自分」という一つの評価だったものが、
いくつかに分かれてきます。
断れる人になることが目的ではない
いつでも断れる。
何でも自分優先。
それがゴールではありません。
引き受けたいときは引き受ける。
断りたいときは断る。
条件をつけたいときは条件を出す。
反応があったとしても、
そのあとに選べるものが増える。
そとがわメソッドで見ているのは、
そこです。
「断っていい」と知っているのに断れないなら、
もう一つ知識を増やす前に、
なぜその場で断らないことが必要になっているのか
を見てみます。
無料講座0時間目では、
分かっているのに同じ反応をしてしまうとき、
その間で何が起きているのかを整理しています。
よくある質問
断れないのは自己肯定感が低いからですか?
自己評価が関係している場合はありますが、それだけで決める必要はありません。
断ったら何が起きると予測しているか、相手との関係や役割など、複数の要素を見ることができます。
断ると罪悪感が出ます。断らない方がいいのでしょうか?
罪悪感が出ることと、断る選択が間違っていたことは同じではありません。
まずは、何に対して罪悪感が出ているのかを見ることができます。
相手が本当に困る場合は、引き受けるべきでは?
相手が困ることもあります。
だからこそ、「相手が困る」「自分ができる」「自分が引き受ける義務がある」を分けて考えることができます。
そのうえで引き受ける選択も、断る選択もあります。
断り方を練習する意味はないのでしょうか?
あります。
ただ、断ったあとに何か悪いことが起きると強く予測している場合、言い方だけ覚えても使えないことがあります。
断り方と、その言葉を使えなくしている反応を分けて見ると整理しやすくなります。
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「断ったら嫌われるかもしれない」「関係が悪くなるかもしれない」という不安が特に強い場合はこちら。
もう少し、自分の中で起きていることを見てみたい方へ
「断ってもいい」
頭ではそう分かっている。
それでも、
頼まれた瞬間に、
「困らせるかもしれない」
「嫌な顔をされるかもしれない」
「関係が悪くなるかもしれない」
と、断るより引き受ける方が安全に感じることがあります。
そんなときは、
断り方を増やす前に、
断ったあとに何が起きると予測しているのか
を見てみることもできます。
そとがわメソッドの無料講座では、
出来事。
そこについた意味や予測。
反応。
そのあとに選んだ行動。
そして、
なぜ、その行動が必要になっているのか
を順番に分けて見ていきます。
「相手が困ること」と、
「自分ができること」と、
「自分が引き受けなければならないこと」は同じではありません。
その場で何が起きているのかを見ながら、選べる行動を増やしてみませんか。

そとがわメソッド開発者。心理学・自己啓発・潜在意識などを学んでも自己否定が終わらなかった自身の経験から、「自分を変える前に、何が起きているのかを見る」そとがわメソッドを開発。著書『自分を否定しない練習』。
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