相手の機嫌が気になるのはなぜ?
一緒にいる人が、
なんとなく不機嫌そう。
返事が短い。
ため息をついている。
声が少し冷たい。
そんなとき、
それまで普通にしていたのに、
急に落ち着かなくなる。
「何かしたかな」
「怒ってる?」
「私のせい?」
と理由を探し始める。
そして、
明るく話しかける。
何か手伝う。
謝る。
自分の言いたいことを引っ込める。
相手が嫌がりそうなことを避ける。
気づけば、
相手の機嫌に合わせて、自分の行動まで変わっている。
「相手の機嫌は相手の問題」
そんなことは分かっている。
それでも放っておけない。
だとしたら、
見るところは、
「どうすれば気にしなくなるか」
だけではないのかもしれません。
そとがわメソッドでは、
なぜ相手の機嫌が、自分が対応しなければならない問題になっているのか
を見ていきます。
相手が不機嫌なことと、自分が何とかすることは別
相手が不機嫌そう。
これは、
相手の状態です。
でも、
その瞬間、
「私が何とかしなきゃ」
までつながることがあります。
何かしたかな。
怒っているのかな。
機嫌を直した方がいいかな。
今日は言いたいことを言わない方がいいかな。
そうなると、
相手の機嫌は、
相手だけの状態ではなくなります。
自分が対応しなければならない問題
になります。
ここが一つのポイントです。
「相手の機嫌が気になる」というより、
相手が不機嫌になると、
自分の方も何かを変えなければならなくなる。
そうなっている場合があります。
「私のせい?」になると、自分に仕事が発生する
相手が不機嫌。
それだけなら、
自分が何かする必要があるとは限りません。
でも、
そこに、
「私が何かした?」
が入ると、
話が変わります。
自分が原因かもしれない。
だったら、
原因を探さなければ。
悪いことをしたなら謝らなければ。
相手が怒っているなら機嫌を直さなければ。
関係が悪くなる前に何とかしなければ。
そうして、
相手の状態から、
自分の中に次々と仕事が増えることがあります。
「何が悪かった?」
「どうすれば戻る?」
「何を言えばいい?」
「今は何をしない方がいい?」
相手が不機嫌なだけだったはずなのに、
自分の行動を修正する話へ進んでいきます。
機嫌を直そうとするのにも理由がある
相手が不機嫌なとき、
明るく話しかける。
何かしてあげる。
謝る。
相手に合わせる。
自分の希望を引っ込める。
そうすると、
相手の機嫌が戻ることがあります。
笑ってくれる。
普通の返事に戻る。
空気が和らぐ。
すると、
自分も安心します。
つまり、
相手の機嫌を直すことが、
自分が安心するための方法
になっていることがあります。
そうであれば、
「機嫌を取るのをやめればいい」
だけでは簡単に終わりません。
機嫌を取らないままだと、
自分の中では、
まだ問題が終わっていないように感じるからです。
相手が普通に戻るまで、自分も普通に戻れない
相手が不機嫌だと落ち着かない。
でも、
相手が笑う。
普通に話す。
機嫌が戻る。
すると、
「大丈夫だった」
と安心する。
そんなことがあります。
この場合、
自分が安心できるかどうかが、
相手の状態にかなり左右されています。
相手が普通なら、
自分も普通でいられる。
相手が不機嫌になると、
自分も何か対応しなければならなくなる。
そうすると、
自然と、
相手の機嫌を確認する回数も増えます。
「もう大丈夫?」
「まだ怒ってる?」
「普通に戻った?」
相手の状態を確認することが、
自分の安心確認にもなっていきます。
「相手の機嫌は相手の問題」が効かないことがある理由
「相手の機嫌は相手の問題」
「自分まで責任を持たなくていい」
そういう考え方は、
すでに知っている人もいます。
頭ではその通りだと思う。
それでも、
相手が不機嫌なままだと、
落ち着かない。
これは、
理解が足りないというより、
自分の中では、
相手の機嫌がまだ自分に関係する問題として成立しているからかもしれません。
相手が不機嫌なままだと、
怒られるかもしれない。
関係が悪くなるかもしれない。
仕事がやりづらくなるかもしれない。
自分が悪いままになるかもしれない。
そうなっていれば、
「相手の問題だから放っておこう」
と考えても、
簡単には放っておけません。
だから、
さらに強く割り切ろうとする前に、
なぜ自分がその機嫌を処理する必要があるのか
を見る方が具体的です。
誰の機嫌でも同じように背負うとは限らない
同僚が不機嫌でも、
「まあ、何かあったんだろう」
で終われる。
でも、
上司が不機嫌だと、
急に仕事を頑張り始める。
友人なら放っておける。
でも、
パートナーが不機嫌だと、
自分の予定まで変えてしまう。
知らない人なら気にならない。
でも、
親が不機嫌だと、
何かしてあげなければと思う。
こんな違いがあることがあります。
そうであれば、
「私は人の機嫌を気にする性格」
だけでは説明しにくくなります。
その相手との関係の中で、
自分は何を担当することになっているのか
を見ることができます。
上司なら、
「怒らせないようにする」。
パートナーなら、
「関係を悪くしないようにする」。
親なら、
「機嫌よくしておく」。
特定の相手なら、
「面倒なことが起きないように先回りする」。
そういった役割が、
自分の中で成立している場合があります。
本当に自分が原因なら、必要な対応だけすればいい
もちろん、
相手が不機嫌になった原因に、
自分の言動が関係していることもあります。
約束を忘れた。
失礼なことを言った。
仕事でミスをした。
そんな場合は、
必要な対応ができます。
謝る。
説明する。
修正する。
話し合う。
でも、
自分に原因があったことと、
相手の機嫌が完全に戻るまで、自分が責任を持つこと
は別です。
謝るべきことを謝った。
必要な修正をした。
それでも相手がまだ怒っている。
その感情がいつまで続くかまでは、
自分だけでは決められません。
ここが混ざると、
「まだ不機嫌だから、私の対応が足りない」
となり、
延々と何かを追加することがあります。
本当に相手の不機嫌が危険な場合もある
一方で、
「気にしなくていい」
では済まない関係もあります。
相手が不機嫌になると、
怒鳴る。
無視する。
仕事を押しつける。
長時間責める。
物に当たる。
周囲をコントロールする。
そんなことが実際にあるなら、
相手の機嫌を警戒することには、
現実的な理由があります。
その場合まで、
「自分が人の機嫌を気にしすぎている」
と考える必要はありません。
自分の中の反応を見ることと、
現実にある問題へ対応することは別です。
距離を取る。
相談する。
役割や連絡方法を変える。
必要なら環境を見直す。
そうした対応も含まれます。
「自分が何とかしなければ」を一度分けてみる
相手が不機嫌。
すると、
「私のせい?」
と思う。
さらに、
「何とかしなきゃ」
となる。
でも、
ここにはいくつか別のことが入っています。
相手が不機嫌であること。
その原因が何なのか。
自分が関係しているのか。
自分にできることがあるのか。
相手がどう感じ続けるか。
これらは、
全部同じではありません。
原因が自分かどうか、
まだ分からないこともあります。
自分にできることがない場合もあります。
必要なことをしたあと、
あとは相手側の問題になることもあります。
全部を一つにすると、
「不機嫌な人がいる=自分が対応する」
になりやすくなります。
一つずつ分けることで、
自分が本当にする必要があることが見えやすくなります。
「また気にしてる」と、自分まで責めなくてもいい
相手の機嫌が気になったあと、
「また振り回されてる」
「また顔色を見てる」
「自分軸がない」
「もっと人の機嫌を放っておけるようにならないと」
と、自分を責めることがあります。
すると、
相手が不機嫌で苦しい。
さらに、
その機嫌が気になる自分もダメ。
という二重の苦しさになります。
ここで、
「今度こそ気にしない」
を新しい正解にすると、
また気になったとき、
「またできなかった」
まで追加されます。
だから、
気にしてしまったことを直す前に、
なぜその場で、
相手の機嫌を引き受ける必要があったのかを見る。
そこからで構いません。
今日見るなら、この一つ
次に、
誰かが不機嫌で、
「何とかしなきゃ」
と思ったとき。
一つだけ見てみてください。
「この人の機嫌を、私は何のために直そうとしている?」
怒られないため?
関係を悪くしないため?
安心するため?
自分が悪い人にならないため?
仕事をしやすくするため?
その場の空気を戻すため?
相手を傷つけた人にならないため?
何が出てくるかは、
人によって違います。
一つだけとも限りません。
今見えているものが全部とも限りません。
正しい答えを出す必要はありません。
まず、
相手が不機嫌であることと、
自分がそれを直す必要があることを、
一度分けて見る。
そこが入口です。
「相手の機嫌が気になる自分」ではなく、何を引き受けているのかを見る
相手が不機嫌。
理由を探す。
「私のせい?」
と思う。
自分の行動を変える。
機嫌を直そうとする。
相手が普通に戻って、
ようやく安心する。
こうした流れがあるなら、
問題は、
単に「人の機嫌を気にする性格」
だけではないかもしれません。
相手が不機嫌になったとき、
自分は何をしなければならないことになっているのか。
どこまでを自分の責任として引き受けているのか。
そこを見ると、
なぜ相手の機嫌を放っておけなかったのかが分かることがあります。
そとがわメソッドでは、
「人の機嫌を一切気にしない人」になることを目標にはしません。
相手が不機嫌でも、
必要なら確認する。
自分に原因があれば対応する。
今は何もしない。
相手の状態は相手側に置く。
現実に危険なら距離を取る。
その場に合わせて、
自分がどうするかを選べる余地を増やしていきます。
無料講座0時間目「分かっているのに、やめられない理由」では、
「相手の機嫌は相手の問題」と分かっているのに、
実際の場面ではまた自分が何とかしようとしてしまうような、
分かっているのに終わらない仕組みを解説しています。
次の考え方を覚えるためではなく、自分の仕組みを実際に見られるようになるための入口としてご覧ください。
よくある質問
自分のせいで相手が不機嫌なら、機嫌を直す責任がありますよね?
自分の言動に問題があったなら、
必要な対応はできます。
謝る。
説明する。
修正する。
話し合う。
ただ、
必要な対応をすることと、
相手が完全に機嫌を直すまで責任を持つことは別です。
相手がその後どう感じるかまで、
自分一人で決めることはできません。
相手の機嫌を気にすること自体が悪いんですか?
悪いわけではありません。
相手の状態に気づくことは、
コミュニケーションの一部でもあります。
見るのは、
気づいた瞬間に、
「自分が何とかするしかない」
となっていないかです。
気づくことと、
相手の状態を自分が引き受けることは別です。
「相手の機嫌は相手の問題」と考えればいいのでは?
その考え方で楽になるなら、
使っても構いません。
ただ、
頭ではそう理解していても、
その場では、
「自分が何とかしなければ」
という反応が起きることがあります。
その場合は、
さらに強く言い聞かせるより、
なぜ自分がその機嫌を引き受ける必要があるのかを見る方が具体的です。
また機嫌を取ってしまったら、変わっていないということですか?
そうとは限りません。
同じように相手に合わせても、
「今、相手を安心させれば自分も安心できると思っている」
と見えている場合があります。
必要なところだけ対応できるようになることもあります。
以前ほど自分を責めなくなることもあります。
同じ行動をしたからといって、
自分の中で起きていることまで全部同じとは限りません。
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「相手の機嫌は相手の問題」
頭ではそう分かっている。
それでも、
相手が不機嫌になると、
「私が何かした?」
「何とかしないと」
「このままだと関係が悪くなるかも」
と、落ち着かなくなる。
そんなときは、
相手の機嫌を気にしないようにする前に、
なぜ、その機嫌が自分の対応しなければならない問題になっているのか
を見てみることもできます。
そとがわメソッドの無料講座では、
出来事。
そこについた意味や予測。
反応。
そのあとに選んだ行動。
そして、
なぜ、その反応や行動が必要になっているのか
を順番に分けて見ていきます。
「人の機嫌を気にしない人」になるためではありません。
自分の中で何が起きているのかを、一枚の地図で見てみませんか。

そとがわメソッド開発者。心理学・自己啓発・潜在意識などを学んでも自己否定が終わらなかった自身の経験から、「自分を変える前に、何が起きているのかを見る」そとがわメソッドを開発。著書『自分を否定しない練習』。
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