頭ではわかっているのにできないのはなぜ?「意志が弱い」では説明できない理由

目次

頭ではわかっているのにできないのはなぜ?

やった方がいいことは、

わかっている。

断ってもいいことも、

わかっている。

そんなに気にしなくていいことも、

わかっている。

自分を責めても仕方がないことも、

わかっている。

それでも、

実際の場面になると、

できない。

断れない。

動けない。

言えない。

考えるのを止められない。

また同じことをしてしまう。

すると、

「頭ではわかっているのに、どうしてできないんだろう」

と思う。

もっと理解が必要なのか。

意志が弱いのか。

まだ自分が変われていないのか。

そう考えることがあります。

でも、

ここで一度分けて見たいことがあります。

「正しいと理解していること」と、
その場で実際に選べることは、同じではありません。

「わかっている」のにできないと、自分の問題に見えやすい

たとえば、

「嫌なら断っていい」

と知っている。

それでも断れない。

すると、

「分かっているのにできない自分がおかしい」

となりやすくなります。

「相手の機嫌は相手の問題」

と知っている。

それでも気になる。

「自分を責めなくていい」

と知っている。

それでも責める。

知識があるほど、

できなかったときに、

自分の不足に見えることがあります。

でも、

知っていることが、

その場で自動的に行動になるとは限りません。

その場では、

知識とは別に、

いろいろなことが起きています。

「断っていい」を知っていても、断ったあとのことまで消えるわけではない

たとえば、

仕事を頼まれた。

本当は、

今日は余裕がない。

頭では、

「無理なら断っていい」

とわかっている。

でも、

頼まれた瞬間、

別のことも浮かぶかもしれません。

断ったら、

相手を困らせるかもしれない。

感じが悪いと思われるかもしれない。

評価が下がるかもしれない。

関係が悪くなるかもしれない。

申し訳なくなるかもしれない。

すると、

「断っていい」

という知識と、

「断ったら困ることが起きるかもしれない」

が同時に存在します。

その場では、

ただ、

「断っていいことを知っているか」

だけで行動が決まるわけではありません。

できないのは、知識が足りないからとは限らない

「頭ではわかっているのにできない」

となると、

さらに学びたくなることがあります。

もっと理解しよう。

もっと自信をつけよう。

もっと自分軸を作ろう。

もっと考え方を変えよう。

もっと潜在意識を変えよう。

新しい知識が役立つこともあります。

でも、

すでに、

「どうした方がいいか」

を知っているなら、

次に見る場所は、

知識の量ではないかもしれません。

その行動を選ぼうとした瞬間、自分の中では何が起きたのか。

そこを見る方が、

「なぜできなかったのか」に近づくことがあります。

「できなかった行動」だけを見ると、意志の問題になる

また断れなかった。

また言えなかった。

また動けなかった。

また気にしてしまった。

行動だけを取り出すと、

「私は意志が弱い」

「行動力がない」

「自信がない」

「変われていない」

という説明になりやすくなります。

でも、

その前を見ると、

違うものが見えることがあります。

何が起きたのか。

その出来事を、

どう受け取ったのか。

そのあと、

何が起きると思ったのか。

どんな反応が出たのか。

その中で、

どの行動が選びやすくなったのか。

そうすると、

「できなかった自分」

だけでは説明できなくなります。

その場では、「できない方」が自然になっていることがある

たとえば、

意見を言いたい。

でも、

言ったら相手が怒るかもしれない。

断りたい。

でも、

断ったら迷惑をかけるかもしれない。

行動したい。

でも、

失敗したら取り返しがつかない気がする。

考えるのをやめたい。

でも、

考えておかないと何か見落とす気がする。

こうなっていると、

本人は変わりたいと思っていても、

その瞬間には、

今までと同じ行動の方が安全に見える

ことがあります。

だから、

できない自分を直すより、

「なぜ今はこちらの行動の方が選びやすいのか」

を見る必要があります。

「相手の機嫌は相手の問題」と分かっていても気になる

たとえば、

相手が不機嫌そう。

頭では、

「自分のせいとは限らない」

と分かっている。

でも、

声が少し冷たい。

返事が短い。

表情が硬い。

すると、

「何かした?」

「怒ってる?」

と反応する。

そのあと、

相手の様子を確認する。

言いたいことを引っ込める。

機嫌を直そうとする。

ここで、

「相手の機嫌は相手の問題」

という知識は消えていません。

知っている。

でも同時に、

相手が不機嫌なままだと、

何か困ることが起きるように感じている。

この二つは、

同時に存在できます。

「自分を責めても仕方がない」と分かっていても責める

失敗した。

頭では、

誰でも失敗することは分かっている。

自分を責め続けても、

出来事が戻るわけではないことも分かっている。

それでも、

「あのときこうすれば」

「もっと確認すれば」

と考える。

この場合も、

「自分を責めない方がいい」という知識が足りないとは限りません。

自分を責めることで、

次は失敗しないようにしているのかもしれない。

原因を自分に置くことで、

次は自分を変えれば防げると思えるのかもしれない。

責任ある自分でいようとしているのかもしれない。

同じ「自分責め」でも、

その場で成立している理由は違います。

「考えすぎない方がいい」と分かっていても考える

考えても答えが出ない。

今考えても仕方がない。

もう寝た方がいい。

本人が一番分かっていることがあります。

それでも、

考え続ける。

もし、

「考えておけば失敗を防げる」

「最悪を考えておけば備えられる」

「答えが出るまで考えた方が安全」

となっていたら、

考えることには、

その場で意味があります。

だから、

「考えないようにする」

という正解だけでは、

簡単に止まらないことがあります。

分かっていることが、できなかった自分を責める材料になることもある

すでに、

たくさん学んできた人ほど、

苦しくなる場合があります。

断っていい。

自分を大切にしていい。

他人軸ではなく自分軸。

境界線を持つ。

自己否定をやめる。

ネガティブを手放す。

そういうことを知っている。

すると、

また断れなかったとき、

「まだできていない」

また人の顔色を見たとき、

「また他人軸になってる」

また自分を責めたとき、

「全然変われてない」

と、

知っていること自体が、自分を採点する基準になる

ことがあります。

「知っているのにできない」

が、

「だから私はダメ」

へ変わってしまう。

「できる方法」より先に、「できない方が自然になる条件」を見る

できないことがあると、

普通は、

できる方法を探します。

どうすれば断れる?

どうすれば行動できる?

どうすれば気にしなくなる?

どうすれば自分を責めなくなる?

もちろん、

方法が必要なこともあります。

でも、

すでに方法を知っているのにできないなら、

問いを少し変えられます。

「この場面では、なぜ今までと同じ行動の方が選びやすいんだろう?」

断らない方が、

何を避けられる?

言わない方が、

何が起きずに済む?

考え続けることで、

何を確認しようとしている?

人の顔色を見ることで、

何を判断しようとしている?

ここを見ると、

できなかった理由が、

意志の弱さ以外にも見えてきます。

場面によってできるなら、「できない人」ではない

ある人には、

普通に断れる。

でも、

別の人には断れない。

友人には、

言いたいことを言える。

でも、

職場では言えない。

あることは、

すぐ行動できる。

でも、

別のことになると動けない。

もし、

「私はそもそも行動できない人」

なのであれば、

いつでも同じになるはずです。

でも実際には、

場面によって違うことがあります。

だとしたら、

見るのは、

「私はどんな人間か」だけではありません。

どんな条件になると、その行動が選びにくくなるのか。

そこを見る方が具体的です。

頭で分かっていることと、反応は同時に存在できる

頭では、

「大丈夫」

と分かっている。

でも、

怖い。

頭では、

「断っていい」

と分かっている。

でも、

言おうとすると緊張する。

頭では、

「そんなに気にしなくていい」

と分かっている。

でも、

相手の反応が気になる。

これは、

どちらかが偽物という話ではありません。

理解していることと、

その場で起きる反応は、

同時に存在できます。

だから、

「分かっているのに反応した」

ことだけで、

理解が足りないと判断しなくても構いません。

本当に現実的な理由で「できない」こともある

すべてを、

心の仕組みだけで説明する必要もありません。

断れないのは、

立場上難しい場合があります。

動けないのは、

お金や時間が足りない場合があります。

言えないのは、

本当に相手が攻撃的な場合があります。

行動できないのは、

必要な情報が足りない場合があります。

だから、

「できないのは全部自分の内側の問題」

とはしません。

自分の反応。

相手との関係。

環境。

役割。

コスト。

現実の条件。

いくつもの要素を分けて見ます。

その結果、

環境を変える方がいいこともあります。

今はしないと判断することもあります。

「できるようになること」だけを正解にしなくてもいい

断れるようになる。

気にしなくなる。

すぐ行動できるようになる。

不安にならなくなる。

それが欲しいこともあります。

でも、

「それができなければ変化ではない」

とすると、

また採点が始まります。

断れない理由が分かって、

条件をつけて引き受けることを選ぶ。

今は言わないと判断する。

環境を変える。

少し時間を置く。

誰かに相談する。

同じ反応が出ても、

そのあと何をするかを選べることがあります。

「できる人になる」

一つだけが答えではありません。

同じことをしてしまったからといって、全部同じとは限らない

また断れなかった。

また不安になった。

また考え続けた。

すると、

「結局変わってない」

と思うことがあります。

でも、

以前なら、

「私はダメ」

だけで終わっていた。

今回は、

「断ったら評価が下がると思っていた」

と見えた。

以前なら、

相手の機嫌を何時間も気にしていた。

今回は、

「自分が何とかしなきゃと思ってる」

と気づいた。

同じ行動が出ても、

自分の中で起きていることへの見え方や、

そのあとの選択まで全部同じとは限りません。

今日見るなら、この一つ

次に、

「分かっているのに、またできなかった」

と思ったとき。

すぐに、

「どうすればできるようになる?」

へ進む前に、

一つ見てみてください。

「その場では、できない方を選ぶと何が起きずに済んだ?」

断らないことで、

何を避けられた?

言わないことで、

何を避けられた?

動かないことで、

何を避けられた?

考え続けることで、

何を確認できた?

相手に合わせることで、

何を守れた?

答えがすぐに出なくても構いません。

必ず、

何かを避けているとも限りません。

まず、

「できない自分」

だけを答えにせず、

その場の条件を見る。

そこが入口です。

頭ではわかっているのにできないなら、知識と行動の間を見る

頭では、

もう分かっている。

何をした方がいいかも知っている。

それでも、

その場ではできない。

そんなとき、

さらに正しい答えを増やす前に、

知識と行動の間で何が起きているのか

を見ることができます。

何が起きたのか。

自分はどう受け取ったのか。

そのあと、

何が起きると思ったのか。

どんな反応が出たのか。

現実には、

どんな条件があったのか。

その中で、

なぜ今の行動が選ばれたのか。

そとがわメソッドでは、

「分かっているのにできない自分」を、

さらに直す対象にする前に、

その行動が選ばれている仕組みを見ていきます。

できなかった理由が見えれば、

必ず別の行動ができる、

という話ではありません。

でも、

「意志が弱いから」

「まだ理解が足りないから」

だけではないところから、

次の選択を考えられるようになります。

無料講座0時間目「分かっているのに、やめられない理由」では、

知識として分かっていることと、

実際の場面で起きる反応がなぜ一致しないことがあるのかを解説しています。

→ 無料講座0時間目

次の知識を増やすためではなく、自分の仕組みを実際に見られるようになるための入口としてご覧ください。


よくある質問

本当に分かっていれば、できるはずではないですか?

知識だけで選べることもあります。

ただ、

実際の場面では、

相手との関係、

予測、

感情や身体反応、

現実的な条件なども関わります。

「知っているのにできなかった」ことだけで、

理解が足りないとは限りません。

できない理由が分かれば、できるようになりますか?

必ずとは限りません。

現実的な制約がある場合もあります。

また、

理由が見えても同じ反応が起きることがあります。

ただ、

「できない自分」を責める以外の見方ができ、

その場で別の選択肢を検討しやすくなることがあります。

行動しない言い訳になりませんか?

理由を見ることと、

何もしないことは同じではありません。

現実に必要な行動があれば、

そのうえで選べます。

できない理由を無視して自分を責めるより、

何が障害になっているのかを見た方が、

実際に対応できることが分かる場合もあります。

また同じことをしたら、変わっていないということですか?

そうとは限りません。

同じ反応や行動が出ても、

その前に何が起きていたか見えることがあります。

そのあと別の対応を選べることもあります。

同じことが起きたことだけを、

「全部元通り」の証拠にしなくても構いません。


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もう少し、自分の中で起きていることを見てみたい方へ

頭では分かっている。

断ってもいい。
人の顔色を気にしなくてもいい。
自分を責めなくてもいい。

それでも、

実際の場面になると、
考えるより先に反応してしまう。

そんなときは、

「できない自分」を直そうとする前に、

分かっていることと、実際に起きている反応の間で何が起きているのか

を見てみることもできます。

そとがわメソッドの無料講座では、

出来事。
そこについた意味や予測。
反応。
その反応に対してさらに起きること。

そして、

なぜ、その反応が必要になっているのか

を順番に分けて見ていきます。

「分かっているのにできない」を、
意志の弱さや努力不足だけで終わらせる必要はありません。

今まで学んできたものを捨てずに、それぞれが見ていたものを一枚の地図で見てみませんか。

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この記事を書いた人

そとがわメソッド開発者。心理学・自己啓発・潜在意識などを学んでも自己否定が終わらなかった自身の経験から、「自分を変える前に、何が起きているのかを見る」そとがわメソッドを開発。著書『自分を否定しない練習』。
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