どう言えば、
怒られないだろう。
どう伝えれば、
嫌な顔をされないだろう。
今言うと機嫌が悪そうだから、
あとにしよう。
もう少し柔らかく言った方がいいかな。
先に相手の気持ちを聞いた方がいい?
説明が足りなかった?
もっと丁寧に言えば、
分かってもらえたかもしれない。
人と関わるとき、
自分の言い方や態度を考える。
それ自体は、
普通のことです。
でも、
相手の反応が悪いたびに、
「私の伝え方が悪かった」
「もっと上手くやればよかった」
と、
また自分の対応を調整しているなら、
一度分けて見たいことがあります。
自分の伝え方を選ぶことと、
相手がどう反応するかを決めることは、同じではありません。
伝え方を工夫すれば、相手の反応に影響はできる
同じ内容でも、
言い方によって、
受け取られ方が変わることがあります。
強く言う。
柔らかく言う。
忙しいときに言う。
落ち着いているときに言う。
説明をつける。
結論だけ言う。
そこを調整することはできます。
だから、
伝え方を考えること自体は、
役に立つことがあります。
でも、
影響できることと、結果を決められることは別です。
丁寧に伝えても、
怒る人はいます。
気を遣っても、
不機嫌になることはある。
説明しても、
納得されないこともあります。
相手が嫌な反応をすると、「自分の対応に原因」を探す
お願いを断った。
相手の顔が曇った。
すると、
「もっと違う言い方ならよかったかな」
と思う。
意見を伝えた。
相手が不機嫌になった。
「言うタイミングが悪かった?」
連絡した。
返事が冷たい。
「何か余計なことを書いた?」
こうして、
相手の反応を見たあと、
自分の中を調べ始めることがあります。
どこを直せば、
この反応は起きなかった?
という問いです。
「反応が悪い=伝え方を間違えた」ではない
たとえば、
こちらが丁寧に断った。
それでも、
相手が不満そうだった。
そのとき、
「断り方が悪かった」
とは限りません。
相手は、
断られたこと自体が嫌だったのかもしれない。
期待していたのかもしれない。
困ったのかもしれない。
自分の希望が通らなくて、
不満だったのかもしれない。
こちらの伝え方とは別に、
相手側にも、
反応する理由があります。
相手の反応を「自分の採点結果」にしない
伝えた。
相手が笑顔だった。
「うまく言えた」
伝えた。
相手が不機嫌だった。
「失敗した」
こうなると、
相手の反応が、
自分の伝え方の採点になります。
でも、
相手の反応には、
自分以外の要素も入っています。
相手の期待。
相手の考え。
その日の状態。
価値観。
過去の経験。
だから、
相手が良い反応をしたから、
自分の伝え方が完全に正しかった、
とも限らない。
逆に、
嫌な反応をされたから、
間違いだった、
とも限りません。
「どう言えば怒られない?」を考え続けると、正解がなくなる
一度、
強く言われた。
次は柔らかく言おう。
柔らかく言ったら、
「はっきり言って」
と言われた。
次は、
はっきり言う。
すると、
「そんな言い方しなくても」
と言われた。
こうなると、
どんどん難しくなります。
柔らかく。
でも曖昧にしない。
はっきり。
でも強くしない。
早めに言う。
でも相手が忙しいときは避ける。
細かく説明する。
でも長くなりすぎない。
正解を増やせば増やすほど、
自分の行動に条件が増えます。
相手の機嫌を見てから、自分の行動を決める
今、
機嫌よさそう?
忙しそう?
話しかけても大丈夫?
怒ってない?
こうして、
相手の状態を確認してから、
自分の行動を決めることがあります。
機嫌がよければ、
言う。
悪そうなら、
やめる。
少し冷たくされたら、
内容を変える。
表情が曇ったら、
フォローする。
これは、
相手を見ているだけではありません。
相手の反応を安全な範囲に保つために、自分を調整している
ことがあります。
それは「気遣い」だけでは説明できないこともある
人への配慮は、
大切です。
相手の状況を見ることもあります。
でも、
配慮した結果、
自分が疲れ果てている。
言いたいことが言えない。
毎回、
言葉を何度も考える。
相手の顔を見る。
後から反応を振り返る。
それでも、
「何か間違えたかも」
と不安になる。
ここまで来ると、
単なる気遣いだけではなく、
相手の反応を悪くしないことが、自分にとって必要になっている
可能性があります。
「相手を怒らせない」が、自分の仕事になる
話し合いをする。
相手が怒った。
すると、
「怒らせてしまった」
と思う。
でも、
ここには、
二つの出来事があります。
自分が何かを伝えた。
相手が怒った。
自分の伝え方が、
相手に影響した可能性はあります。
でも、
怒るという反応自体は、
相手側で起きています。
それでも、
「怒らせた」
という言葉になると、
相手の反応まで、
自分が起こしたもののように感じやすくなります。
「怒らせない伝え方」は存在するのか
相手を不快にさせないように、
伝え方を工夫する。
それはできます。
でも、
どんな内容でも、
必ず怒られない伝え方があるとは限りません。
「今回はできません」
と伝えれば、
不満を持つ人もいる。
「私はそう思わない」
と言えば、
反発されることもある。
「これ以上はできません」
と線を引けば、
怒る人もいます。
そのとき、
相手が怒ったからといって、
伝え方が失敗だったとは限りません。
自分の希望を伝えるほど、相手に不都合なこともある
人間関係では、
全員の希望が一致するとは限りません。
自分は休みたい。
相手は手伝ってほしい。
自分は断りたい。
相手は引き受けてほしい。
自分は距離を取りたい。
相手はもっと近づきたい。
このとき、
自分の希望を伝えれば、
相手の希望は通らないことがあります。
相手が残念そうになることもある。
でも、
それは、
必ずしも伝え方の問題ではありません。
希望そのものが違っている
ことがあります。
どれだけ上手く言っても、相手の希望までは変えられない
「もっと上手に伝えれば分かってくれる」
と思うことがあります。
確かに、
説明不足なら、
説明する意味があります。
誤解なら、
解くこともできます。
でも、
相手が内容を理解したうえで、
納得しないこともあります。
あなたの言っていることは分かる。
でも、
私は嫌だ。
そういうこともあります。
この場合、
説明力をさらに上げても、
相手の希望自体は変わらないかもしれません。
「理解してもらえない」を、自分の伝え方不足にしない
何度説明しても、
分かってもらえない。
すると、
「私の説明が下手なんだ」
と思う。
もっと具体的に。
もっと順序立てて。
もっと相手の立場に立って。
そうして、
説明を改善し続ける。
でも、
相手が理解できないのではなく、
理解したくない、受け入れたくない、同意していない
ということもあります。
説明の問題と、
相手の選択は、
分けられます。
相手の反応を変えるために、自分の本音を薄めていく
本当は、
嫌だ。
でも、
嫌と言ったら怒りそう。
だから、
「ちょっと難しいかもしれなくて……」
と柔らかくする。
本当は、
やめてほしい。
でも、
傷つけそう。
だから、
「できれば少しだけ……」
と小さくする。
相手の反応を良くすることを優先すると、
自分の伝えたい内容が、
少しずつ変わることがあります。
すると、
相手は怒らなかった。
でも、
自分の希望も伝わっていない。
そんなことも起きます。
ここまで読んで、
「私は伝え方を考えていたというより、相手が嫌な反応をしない言い方を探し続けていたかもしれない」
と思った方は、無料講座0時間目から見てみてください。
伝え方を上手にするためではなく、なぜ相手の反応まで自分が調整する必要があるのかを見るための入口です。
相手の反応が良ければ、自分も安心できる
相手が笑ってくれた。
普通に返事をしてくれた。
「大丈夫だよ」と言った。
すると、
安心する。
逆に、
少し顔が曇った。
返事が短い。
声のトーンが下がった。
すると、
不安になる。
こうなると、
自分が安心できるかどうかが、
相手の反応にかかってきます。
だから、
相手の反応を良くしたくなる。
自分が安心するためにも、
相手に機嫌よくいてほしくなります。
「私がうまくやれば安全」という予測
相手が不機嫌。
怖い。
関係が悪くなるかもしれない。
嫌われるかもしれない。
だったら、
自分が上手に対応する。
柔らかく話す。
相手に合わせる。
先回りする。
怒らせない。
そうすれば、
大丈夫かもしれない。
この流れがあると、
相手の反応を見るたび、
自分の行動を調整することが必要になります。
だから、
疲れる。
でも、
やめるのも怖い。
相手の反応が悪くても、自分の行動を再採点しなくていい場合がある
断った。
相手が不満そうだった。
そのとき、
まず、
自分の伝え方を確認することはできます。
失礼な言い方だった?
必要な説明はした?
自分が変えたいところはある?
そこを見た。
問題なかった。
なら、
相手が不満そうだからという理由だけで、
さらに自分を修正しなくてもいい場合があります。
相手が不満であることは、
相手側に残せます。
自分の範囲は「どう伝えるか」まで
自分が選べるのは、
何を伝えるか。
どう伝えるか。
いつ伝えるか。
どこまで説明するか。
相手の話をどこまで聞くか。
そこまでです。
そのあと、
相手が、
納得する。
怒る。
嫌がる。
理解する。
断る。
距離を取る。
それは、
自分の行動に影響されることはあっても、
自分だけで決めることはできません。
相手の反応を見て、必要なら修正することはできる
ここまで読むと、
「じゃあ相手の反応を無視するの?」
と思うかもしれません。
そうではありません。
相手の反応は、
情報として見ることができます。
伝わっていなさそう。
説明が必要かもしれない。
傷つけたかもしれない。
なら、
確認することもできます。
でも、
相手が望む反応をするまで、自分を修正し続ける必要はありません。
相手の反応は情報。
自分への採点とは限りません。
「上手く伝える」より、「何を伝えたいか」が消えていないか
相手の反応を考えすぎると、
いつの間にか、
何を伝えるかより、
どう反応されるかの方が大きくなります。
本当は断りたい。
でも、
怒られない言い方を探している。
本当は嫌だった。
でも、
相手が傷つかない伝え方ばかり考えている。
本当は距離を取りたい。
でも、
嫌われない方法を探している。
そんなとき、
一度、
相手の反応より前に戻って、
「私は何を伝えたい?」
を見ることができます。
「相手がどう反応してもいい」と思う必要はない
相手に怒られるのは、
嫌です。
不機嫌になられるのも、
怖いことがあります。
嫌われたくない。
関係が悪くなってほしくない。
そう思うこと自体を、
なくす必要はありません。
ただ、
嫌な反応を避けたいことと、
その反応を自分が完全に防げることは別です。
嫌だと思いながら、
自分にできる範囲を選ぶことはできます。
今日見るなら、「私は何を変えようとしている?」
相手の反応が気になって、
言い方や態度を何度も調整しているとき。
一つだけ、
見てみてください。
「私は今、自分の行動を選んでいる?
それとも、相手の反応を変えようとしている?」
自分の伝え方を選ぶ。
これは自分の範囲です。
相手が怒らないようにする。
これは、
相手側の変数も含みます。
この二つが混ざっていないかを見る。
相手の反応を自分の対応で変えようとして疲れているなら
相手のことを考える。
伝え方を工夫する。
タイミングを見る。
それ自体を、
やめる必要はありません。
ただ、
相手の反応が悪い。
↓
自分の対応を修正する。
↓
また反応を見る。
↓
まだ悪い。
↓
さらに自分を変える。
この流れが続いているなら、
一度外から見ます。
自分がしたこと。
相手がしたこと。
自分が選べること。
相手に残ること。
そして、
なぜ、
相手の反応が安全であることが、
自分にとって必要になっているのか。
そとがわメソッドでは、
「もっと伝え方を上手にする」より先に、
なぜ相手の反応まで、自分の対応で管理しなければならないことになっているのか
を見ていきます。
無料講座0時間目「分かっているのに、やめられない理由」では、
頭では「相手の反応は相手のもの」と分かっていても、
実際の場面では、
また相手を見ながら自分を調整してしまうとき、
その間で何が起きているのかを見ていきます。
相手を気にしない人になるためではなく、自分がどこまでを自分の仕事にしているのかを見るための入口としてご覧ください。
よくある質問
相手の反応を考えて伝え方を変えるのは普通では?
普通です。
相手に合わせて説明したり、タイミングを考えたりすることはあります。
この記事で分けているのは、伝え方を工夫することと、相手が望ましい反応をするところまで自分の責任にすることです。
相手を怒らせたなら、自分にも原因があるのでは?
自分の言動が影響した可能性はあります。
ただ、相手がどう受け取り、どう反応するかには相手側の条件もあります。
自分の言動と相手の反応を一度分けて見ます。
相手が傷ついたと言ったら、どうすればいいですか?
相手が傷ついたという事実は情報として受け取れます。
必要なら謝ったり、意図を説明したり、今後の対応を考えることもできます。
ただ、「相手を二度と傷つけないよう、自分が完全に管理しなければならない」とまでは限りません。
相手の反応を気にしなくなるにはどうすればいいですか?
「気にしないようにする」ことを先に目指さなくても構いません。
相手の反応を見たとき、自分の中で何が起きると予測しているのか、なぜ自分を調整する必要が出てくるのかを見るところから始められます。
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相手の表情や声、機嫌を確認しながら、自分の行動を決め続けている場合はこちら。
相手の機嫌が、自分が何とかしなければならない問題のように感じる場合はこちら。
人間関係で問題が起きるたび、自分だけを修正し続けている場合はこちら。
もう少し、自分の中で起きていることを見てみたい方へ
相手を怒らせないように、
言い方を考える。
機嫌を見て、
話すタイミングを選ぶ。
反応が悪ければ、
「言い方が悪かった?」
「もっと違う伝え方ならよかった?」
と、また自分の対応を直す。
そんなことが続いているなら、
伝え方をもっと上手にする前に、
なぜ、相手の反応まで自分の対応で管理しなければならないことになっているのか
を見てみることもできます。
そとがわメソッドの無料講座では、
実際に起きた出来事。
そこについた意味や予測。
自分の反応。
そのあとに選んだ行動。
そして、
なぜ、相手の反応が安全であることが自分にとって必要になっているのか
を順番に分けて見ていきます。
相手に合わせることや、
伝え方を工夫することをやめる必要はありません。
でも、
自分ができることと、相手側で起きる反応は同じではありません。
自分がどこまでを「自分の仕事」にしているのか、一度分けて見てみませんか。

そとがわメソッド開発者。心理学・自己啓発・潜在意識などを学んでも自己否定が終わらなかった自身の経験から、「自分を変える前に、何が起きているのかを見る」そとがわメソッドを開発。著書『自分を否定しない練習』。
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