自分軸とは?「自分の気持ちを優先する」だけでは分からない、自分で選ぶということ

「もっと自分軸で生きたい」

「他人軸をやめて、自分軸になりたい」

そう思って、

「自分軸とは何だろう?」

と調べることがあるかもしれません。

自分の気持ちを大切にする。

人の目を気にしない。

自分で決める。

嫌なことは断る。

周囲に振り回されない。

こうした状態が、

「自分軸」と表現されることがあります。

でも、

自分軸になろうとするほど、

「これは本当に自分の気持ち?」

「今の選択は他人軸じゃない?」

「また人に合わせてしまった」

と、

自分を確認し続けるようになることもあります。

すると、

自分軸で生きるために、

今度は「自分軸という正解」に合わせようとすることになります。

そとがわメソッドでは、

自分軸を、

「人を気にしなくなる状態」

とは考えません。

自分の中で何が起きているのかを見たうえで、

何をするかを選べる余地がある。

この記事では、

そんな視点から「自分軸」を分けて見ていきます。

目次

自分軸とは何を基準にすること?

一般に「自分軸」という言葉は、

他人の評価や期待だけではなく、

自分の価値観や感覚を基準に、

選択したり行動したりすることを表すときに使われます。

たとえば、

周囲はAを勧めている。

でも、

自分はBを選びたい。

相手は会いたがっている。

でも、

今日は休みたい。

頼まれた。

でも、

今は引き受けられない。

こうした場面で、

自分が何を感じているのかも、

選択の材料に入っている状態です。

ただ、

「自分軸だから必ず自分を優先する」

ということではありません。

自分軸は「自分を最優先すること」ではない

たとえば、

本当は今日は休みたい。

でも、

友人に会いたい気持ちもある。

そのうえで、

「今日は会いに行こう」

と選ぶ。

これは、

相手を優先しているように見えるかもしれません。

でも、

本人が自分の状態も見たうえで選んでいるなら、

単純に「他人軸」とは言えません。

逆に、

「私は自分軸だから、絶対に自分を優先する」

と決めてしまうと、

今度は、

自分を優先しなければならない

という別の正解ができます。

自分軸は、

いつも自分を最優先するルールではありません。

人の目が気になってもいい

自分軸について調べていると、

「人の目を気にしない」

という表現もよく出てきます。

でも、

人の反応が気になること自体はあります。

相手に嫌われたくない。

迷惑をかけたくない。

どう思われるか気になる。

それを全部なくしてからでなければ、

自分軸になれないわけではありません。

たとえば、

「断ったら嫌われるかもしれない」

と思った。

怖い。

それでも、

今日は断ることにした。

この場合、

嫌われる怖さはあります。

でも、

怖さがあることと、

怖さの通りに行動しなければならないことは別です。

自分軸と他人軸は、二種類の人間ではない

「私は他人軸の人」

「あの人は自分軸の人」

と分けたくなることがあります。

でも、

同じ人でも、

場面によって変わります。

仕事では自分の意見を言える。

家族の前では言えない。

友人には断れる。

パートナーには断れない。

知らない人からの評価は気にならない。

特定の人の反応だけは強く気になる。

そういうことがあります。

だから、

「自分軸の人になる」

というより、

どんな条件のときに、自分の感覚より相手の反応を優先する必要が出るのか

を見ることができます。

他人軸については、他人軸とは?人の反応を見てから自分を決めてしまうとき、何が起きているのかでも詳しく扱っています。

自分の気持ちが分からないと、自分軸にもなれない?

「自分を基準にする」と言われても、

そもそも、

自分が何をしたいのか分からない。

そんなこともあります。

どっちが好き?

どうしたい?

何が嫌?

そう聞かれるほど、

分からなくなる。

すると、

「私は自分軸がない」

と思うかもしれません。

でも、

本当に何も感じていないとは限りません。

最初に、

「今日は行きたくない」

と思った。

そのあと、

「でも断ったら嫌われる」

「迷惑かもしれない」

「普通は行くよね」

と情報が増えた。

すると、

最初にあった感覚が見えにくくなります。

自分の本音が分からない感覚については、自分の本音がわからないのはなぜ?「どうしたい?」と聞かれるほど分からなくなるときでも扱っています。

「自分の気持ち」と「その通り行動すること」は別

ここは、

自分軸を考えるときに混ざりやすいところです。

「本当は行きたくない」

と感じた。

だから、

行ってはいけない。

ではありません。

「今日は行きたくない」

と感じている。

でも、

別の理由で行くことにする。

それも選択です。

仕事を辞めたい。

でも、

今は続ける。

人と会いたくない。

でも、

今日は会う。

断りたい。

でも、

今回は引き受ける。

自分の感覚を知ることと、

その感覚をそのまま行動にすることは別です。

自分軸は「感情の言う通りに動くこと」でもない

腹が立った。

だから怒鳴る。

不安になった。

だから全部やめる。

怖くなった。

だから逃げる。

これを、

「自分の感情に正直に生きる」

と表現することもできます。

でも、

感情や身体反応は、

自分の中で起きているものの一つです。

反応が起きた。

それを見たうえで、

どうするかを決める。

その間に、

選択の余地があります。

そとがわメソッドでいう「選べる」は、

何も感じなくなることではありません。

感じたものを見たうえで、その反応だけに決定を任せなくてもいい状態

に近いものです。

「自分軸にならなきゃ」が苦しくなるとき

自分軸について学び始めると、

日常の中で、

「また人に合わせた」

「これは他人軸だ」

「自分軸に戻さなきゃ」

と確認することがあります。

すると、

自分軸が、

自分を測る採点基準になります。

昨日は断れた。

今日は断れなかった。

だから、

今日は自分軸じゃなかった。

そんなふうに、

自分を評価する。

でも、

その場でなぜ断れなかったのかを見る前に、

「他人軸だった」

で終わると、

実際に起きていたことが見えなくなります。

自分軸を目指すほど自分をチェックしてしまう場合は、自分軸で生きたいのに他人の反応を確認してしまうのはなぜ?も近いテーマです。

「私はどうしたい?」だけでは決められないこともある

何かを決めるとき、

「自分はどうしたい?」

と聞くことはできます。

ただ、

人生の選択には、

自分の希望以外の条件もあります。

お金。

時間。

仕事。

家族。

体力。

相手との関係。

将来の予定。

そういったものを考慮すること自体は、

他人軸ではありません。

自分軸とは、

自分の希望だけで決めることではなく、

自分の感覚も含めて、いくつかの条件を見たうえで選ぶこと

と考えることもできます。

人に合わせることも、自分で選べる

今日は相手に合わせよう。

今回は譲ろう。

この人の希望を優先しよう。

そう選ぶこともできます。

大事なのは、

相手に合わせたという外側の行動だけではありません。

その前で、

「合わせないと嫌われる」

「断るなんて許されない」

「自分の希望を言ったら関係が壊れる」

と感じて、

他の選択肢がなくなっているのか。

それとも、

自分の状態も分かったうえで、

今回は相手に合わせると選んでいるのか。

同じ行動でも、

その中で起きていることは違います。

自分軸を作るというより、何が見えなくしているのかを見る

「自分軸を作る」

というと、

今の自分には足りない何かを追加するように感じるかもしれません。

自信をつける。

価値観を明確にする。

意見を持つ。

人の目を気にしなくなる。

でも、

自分の感覚そのものがゼロなのではなく、

そのあとに別の情報が大量に重なって、

見えなくなっている場合があります。

たとえば、

「断りたい」

と思った。

そのあと、

「嫌われる」

「困らせる」

「冷たいと思われる」

「関係が悪くなる」

が続いた。

すると、

「断りたい」は小さく見えます。

ここで、

自分軸を新しく作る前に、

何が最初の感覚を見えなくしているのか

を見ることができます。

「正しい選択」を探すと、自分軸がまた分からなくなる

自分で決めようと思っても、

「どっちが正しい?」

を探し始めることがあります。

転職するべき?

続けるべき?

別れるべき?

続けるべき?

断るべき?

引き受けるべき?

正解を探していると、

最終的に、

「誰か答えを教えて」

となることがあります。

でも、

選択の中には、

最初から正解が決まっていないものもあります。

何を選んでも、

何かを得て、

何かを失うことがあります。

そのとき、

「絶対に間違えない答え」を探すより、

自分の中で何が起きているかを見たうえで、

今はこれを選ぶ。

そういう決め方もできます。

自分軸を「状態」ではなく「見られること」と考える

自分軸という言葉から、

いつでも迷わず、

人の目も気にせず、

自信を持って決められる人を想像することがあります。

でも、

迷うこともあります。

怖いこともあります。

人の評価が気になることもあります。

そこで、

「自分軸が崩れた」

と考えなくても構いません。

今、

怖い。

相手の反応が気になっている。

嫌われると予測している。

本当は断りたい感覚もある。

全部見えている。

そのうえで、

どうするかを選ぶ。

それなら、

人の反応が存在していても、

自分の感覚が消えているわけではありません。

「自分で選んだ」なら、必ず気持ちよくなるわけでもない

自分で選んだとしても、

不安になることがあります。

断ったあと、

罪悪感が出る。

仕事を辞めると決めても、

怖い。

関係を終えると決めても、

寂しい。

自分で決めたのだから、

迷ってはいけない。

後悔してはいけない。

ということでもありません。

選択したあとに反応が出ることと、

選択が間違っていることも、

同じではありません。

自分軸を細かく見てみる

たとえば、

友人から、

「日曜日、会わない?」

と言われた。

最初に、

「休みたい」

と思った。

そのあと、

「断ったら嫌われるかも」

と思った。

怖くなった。

それでも、

今週は疲れていることも見た。

友人には、

「今週は休む。また来週会おう」

と伝えた。

断ったあと、

少し罪悪感が出た。

ここで、

罪悪感がなくなっているわけではありません。

嫌われる怖さも、

完全に消えているわけではない。

でも、

いくつかの反応がある中で、

何をするかを選んでいます。

自分軸は「完成」するものなのか

「自分軸を確立する」

という表現もあります。

ただ、

どんな状況でも一切揺れない自分になることを目標にすると、

揺れた瞬間、

「また他人軸に戻った」

となります。

人は、

場面によって反応します。

大切な人ほど、

強く反応することもあります。

過去の経験によって、

特定の状況が危険に見えることもあります。

だから、

一度完成した自分軸を維持するというより、

その場その場で、自分の中に何が起きているかを見られること

の方が使いやすいかもしれません。

自分軸のために、他人軸を敵にしなくていい

他人の反応を気にする。

期待に応えたい。

嫌われたくない。

それも、

自分の中で起きている反応です。

それを、

「これは他人軸だからダメ」

と排除すると、

また自分の一部を否定することになります。

相手を気にしている自分もいる。

本当は休みたい自分もいる。

関係を守りたい自分もいる。

その全部を見たうえで、

今は何をするのか。

そこに、

選択があります。


自分軸とは、

人の目を一切気にしなくなることでも、

自分だけを最優先することでもありません。

人の反応が気になることもある。

怖いこともある。

迷うこともある。

その中で、

何が起きた?

最初に何を感じた?

何を予測した?

何が怖くなった?

どんな行動が必要になった?

そこを分けて見る。

そのうえで、

今、

何をするのかを選ぶ。

そとがわメソッドでは、

この「選べる余地」を見ていきます。

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よくある質問

自分軸とは、自分を最優先することですか?

必ずしもそうではありません。

自分の状態や希望も見たうえで、今回は相手を優先すると選ぶこともできます。

外側の行動だけで、自分軸か他人軸かは決まりません。

人の目が気になるうちは自分軸ではありませんか?

人の目が気になることはあります。

気になったときに、なぜその反応が必要なのかを見たうえで、何をするかを選べる余地があります。

自分の気持ちが分からない場合はどうしたらいいですか?

「本音を探す」前に、最初に何を感じ、そのあとに相手の反応や正解について何を考えたのかを分けて見ることができます。

最初の感覚がないのではなく、後から加わった情報で見えにくくなっている場合があります。

自分軸を作るトレーニングは必要ですか?

トレーニングが役に立つ人もいます。

一方で、「自分軸にならなければ」という新しい課題が増えて苦しくなることもあります。

まずは、実際の場面で自分の選択がどのように決まっているのかを見ることができます。

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この記事を書いた人

そとがわメソッド開発者。心理学・自己啓発・潜在意識などを学んでも自己否定が終わらなかった自身の経験から、「自分を変える前に、何が起きているのかを見る」そとがわメソッドを開発。著書『自分を否定しない練習』。
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