「自分軸で生きよう」として疲れてしまうのはなぜ?

「もっと自分軸で生きよう」

「他人軸をやめよう」

「人に振り回されず、自分の気持ちを大切にしよう」

そう学んだ。

確かに、その通りだと思う。

だから、

人の顔色を見たとき。

断れなかったとき。

相手に合わせてしまったとき。

自分より人を優先したとき。

今度は、

「また他人軸になってる」

「ちゃんと自分軸でいなきゃ」

「私はまだ変われてない」

と、自分を確認するようになることがあります。

自分軸を学んだはずなのに、

前より自分を監視している。

前より「できているか」が気になる。

前より疲れる。

そんなことが起きることがあります。

でも、

ここで一度分けて見たいことがあります。

自分軸を知ることと、自分軸でいなければならないことは同じではありません。

目次

自分軸を学ぶ前にはなかった「正解」が増れることがある

自分軸という言葉を知らなかったとき。

人に合わせた。

断れなかった。

相手の反応を気にした。

その行動について、

「私は他人軸だからダメ」

とは考えていなかったかもしれません。

でも、

自分軸と他人軸という考え方を知る。

すると、

自分を見る基準が一つ増えます。

「これは自分軸?」

「これは他人軸?」

「今、相手に合わせてしまった?」

「また人の顔色を見てない?」

知識が増えたことで、

今まで見えていなかったことが見えるようになる。

それ自体が悪いわけではありません。

でも、その基準が、

自分を理解するためのものから、自分を採点するためのもの

に変わることがあります。

「自分軸でいられなかった私」が新しい問題になる

たとえば、

本当は断りたかった。

でも、その場では断れなかった。

あとから、

「ああ、また相手を優先した」

と思う。

ここまでは、

起きたことを振り返っているだけかもしれません。

でも、そのあと、

「私はまた他人軸だった」

「全然自分軸になれてない」

「こんなに学んだのに」

「いつになったら変われるの?」

と進むことがあります。

すると、

最初にあったのは、

断れなかった

という出来事だったのに、

そのあとに、

自分軸でいられなかった自分はダメ

という別の苦しさが増えます。

そとがわメソッドでは、

ここを一つにまとめません。

断れなかったこと。

断れなかったあとに、

「また他人軸だ」

と判断したこと。

そして、

その自分をさらに問題にしたこと。

それぞれを分けて見ます。

「自分軸ならこうするはず」が増えると苦しくなる

自分軸について学んでいると、

少しずつ、

「自分軸の人ならこうする」

というイメージができることがあります。

嫌なら断る。

自分の意見を言う。

人の評価を気にしない。

自分を優先する。

やりたいことを選ぶ。

相手の機嫌に振り回されない。

すると、

実際の自分がそこから外れたとき、

「またできなかった」

になります。

でも、

本当に見る必要があるのは、

自分軸らしい行動ができたかどうかだけでしょうか。

たとえば、

断りたいのに断れなかった。

そのとき、

「断る」という選択肢を知らなかったわけではないかもしれません。

「断ってもいい」

と頭では分かっていたかもしれません。

それでも断れなかった。

だとしたら、

見る場所は、

「もっと自分軸を意識すること」

だけではないかもしれません。

断れないなら、断れない理由がその場で成立している

断ったら嫌われそう。

迷惑をかけそう。

空気を悪くしそう。

相手を困らせそう。

怒られそう。

関係が悪くなりそう。

そんな予測があるとき、

その場では、

「断る」より、

「引き受ける」

方が安全に見えることがあります。

あとから見れば、

「また他人軸だった」

と見える。

でも、その瞬間の自分からすると、

相手に合わせることには、

その場で成立していた理由

があるかもしれません。

だから、

「自分軸でいなきゃ」

を追加しても、

その理由が消えるとは限りません。

人の顔色を見る自分を「他人軸」と呼んでも、反応は止まらない

相手の表情が変わった。

声のトーンが違う。

返信が遅い。

機嫌が悪そう。

すると、

何かしたかな。

怒ってる?

嫌われた?

と思う。

そこで、

「また人の顔色を見てる」

「他人軸になってる」

と気づく。

気づけること自体は悪くありません。

でも、

そのあと、

「気にしちゃダメ」

「自分軸に戻らなきゃ」

「相手の反応なんて関係ない」

と、自分を修正しようとすると、

今度は、

相手の反応を気にした自分まで問題

になります。

相手の表情に反応した。

その反応に対して、

「反応してはいけない」

が加わる。

苦しさが二重になることがあります。

自分軸は「正しい自分を作るための基準」になっていないか

ここで一度、

自分軸を何のために使っているのかを見てみます。

自分の気持ちを知るため?

自分が何を選びたいかを見るため?

それとも、

正しい自分になるため?

「自分軸でいられれば苦しくならない」

「自分軸になれば人に振り回されない」

「自分軸なら断れる」

「自分軸なら人の反応を気にしない」

もしそうなっていると、

自分軸が、

自分を見るための言葉ではなく、

苦しいことが起きない自分になるための条件

になることがあります。

すると、

人の顔色を見た。

断れなかった。

不安になった。

相手に合わせた。

そのたびに、

「まだ自分軸になれていない」

という判定が出ます。

「自分軸になること」がゴールになると、ずっと確認が必要になる

今日は自分の意見を言えた。

「少し自分軸になれたかも」

でも翌日、

断れなかった。

「やっぱりまだ他人軸だ」

また別の日、

人の機嫌が気になった。

「全然変われてない」

こうなると、

自分軸か他人軸かを、

毎日の出来事で確認し続けることになります。

うまくできた日は○。

できなかった日は×。

そして、

○が増えれば変われている。

×が出ればまだ足りない。

いつの間にか、

自分軸を学ぶ前とは違う形で、

自分を採点し続ける状態

になることがあります。

自分軸と他人軸を、二択にしなくてもいい

自分の希望を選ぶこともある。

相手に合わせることもある。

断ることもある。

引き受けることもある。

人の意見を参考にすることもある。

自分だけで決めることもある。

それぞれ、

状況によって選ぶことができます。

人に合わせたから、

必ず他人軸。

自分の意見を通したから、

必ず自分軸。

と単純に分けられないこともあります。

たとえば、

本当はどちらでもいいから、

相手の希望に合わせる。

これは苦しくないかもしれません。

逆に、

「自分軸でいなきゃ」

と思って、

本当は譲ってもいいことまで、

無理に自分の意見を通す。

それで苦しくなることもあります。

見るものは、

行動の形だけではありません。

そのとき自分の中で、

何が起きていたのか。

そこを見ることができます。

「私は本当はどうしたい?」でも答えが出ないことがある

自分軸について学ぶと、

「私はどうしたい?」

と自分に聞くことがあります。

でも、

分からないこともあります。

Aでもいい。

Bでもいい。

どちらも嫌。

どちらにもメリットとデメリットがある。

そもそも今は決めたくない。

そんなこともあります。

そこで、

「自分の気持ちが分からない」

「自分軸がない」

と問題にすると、

また新しい自己否定が始まります。

でも、

今は分からない

という状態も、

そのまま一つの状態として見ることができます。

必ず答えを持っていなければならないわけではありません。

自分軸で生きようとして疲れたときに見ること

もし、

「もっと自分軸でいなきゃ」

と考えるほど疲れているなら、

一度こう見てみます。

私は今、何を自分軸で解決しようとしているんだろう。

嫌われないため?

人に振り回されないため?

傷つかないため?

後悔しないため?

自分を責めなくて済むため?

正しい選択をするため?

もう苦しくならないため?

もし、

自分軸になることで、

「嫌なことが起きない自分」

を作ろうとしているなら、

できているかどうかを、

ずっと確認する必要が出てきます。

でも、

自分軸という言葉を、

その確認に使わなくても構いません。

「自分軸でいられなかった」の前に、何が起きたのかを見る

たとえば、

また断れなかった。

そのとき、

「また他人軸だ」

で終わらせるのではなく、

少し前へ戻ってみます。

頼まれた。

その瞬間、何を感じた?

何が起きると思った?

断ったらどうなると思った?

なぜ引き受ける方が必要に見えた?

人の顔色を見たなら、

なぜその表情を確認する必要があった?

何が起きたら困ると思った?

ここを見ていくと、

「他人軸だから」

という一つの言葉の中に、

もっと具体的なものがあることがあります。

そとがわメソッドでは、

「もっと自分軸でいよう」

という新しい正解を追加するより先に、

なぜその場で、人に合わせることや相手の反応を確認することが必要になっているのか

を見ていきます。

無料講座0時間目「分かっているのに、やめられない理由」では、

頭では、

「人に合わせすぎなくていい」

「自分を大切にしていい」

と分かっているのに、

実際の場面ではまた同じ反応へ戻るとき、

その間で何が起きているのかを、

実際の出来事から分けて見ていきます。

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自分軸になれるように頑張るためではなく、

「自分軸でいられない私」をもう一つの問題にする前に、自分の中で何が起きているのかを見るための入口

としてご覧ください。


よくある質問

自分軸で生きること自体が間違いということですか?

いいえ。

自分軸という考え方が役に立っているなら、

そのまま使うことができます。

この記事で見ているのは、

自分軸という考え方そのものではなく、

「自分軸でいられなければダメ」という新しい採点基準になったときに何が起きるか

です。

自分軸を捨てる必要はありません。

ただ、

「また他人軸だった」

「まだ自分軸になれていない」

と、自分を責める材料が増えているなら、

その前に何が起きていたのかを見ることもできます。

人に合わせるのは、他人軸ではないんですか?

人に合わせるという行動だけでは決められません。

本当は嫌なのに、

嫌われるのが怖くて合わせることもあります。

一方で、

自分はどちらでもよく、

相手の希望に合わせることを自分で選んでいることもあります。

外から見ると同じ行動でも、

その行動がなぜ必要だったのか

は違います。

そとがわメソッドでは、

行動だけを見て、

「自分軸」

「他人軸」

と決めるより先に、

その場で何が起きていたのかを見ます。

自分軸が分からないときは、どうすればいいですか?

すぐに答えを出さなくても構いません。

「私は本当はどうしたい?」

と考えても、

分からないことはあります。

Aでもいい。

Bでもいい。

今は決めたくない。

どちらも嫌。

そういう状態もあります。

そこで、

「自分軸がない」

「自分の気持ちも分からない」

と自分を問題にすると、

また採点が始まることがあります。

まずは、

今は分からない

ということも含めて見ることができます。

人の意見を気にしたら、まだ他人軸ということですか?

人の意見を気にすること自体を、

問題にする必要はありません。

誰かの意見を聞いたり、

相手の気持ちを考えたり、

周囲との関係を考慮したりすることはあります。

見るとしたら、

人の意見を聞いたことより、

なぜその意見に従わなければならないことになったのか

です。

違う選択をすると、

何が起きると思ったのか。

そこを分けて見ることができます。

自分軸になれたら、人に振り回されなくなるのでは?

そう感じる人もいると思います。

実際、

自分の希望や考えを確認できるようになることで、

選びやすくなることもあります。

ただ、

「人に振り回されない自分になれば、もう苦しいことは起きない」

という条件になると、

今度は、

振り回されたと感じるたびに、

「まだ自分軸が足りない」

という確認が必要になります。

この記事では、

自分軸になれるかどうかより、

振り回されたと感じたその場で、何が起きていたのか

を見ています。


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自分の考えや希望はあるのに、「これって自分軸?」「また他人軸になってない?」と確認してしまう場合はこちら。

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→ 学ぶほど自分を責めてしまうのはなぜ?知識が増えるほど苦しくなるとき


自分軸を、新しい「正しい自分」にしなくてもいい

人の顔色を見た。

断れなかった。

相手に合わせた。

自分より人を優先した。

そんなとき、

「また他人軸になった」

「もっと自分軸でいなきゃ」

と、自分を修正しなくても構いません。

見ることができるのは、

自分軸でいられたかどうかより、その場で何が起きていたのか。

何をしたかったのか。

そのあと何を予測したのか。

断ったら何が起きると思ったのか。

相手の反応を、なぜ確認する必要があったのか。

そして、

なぜその場では、人に合わせることの方が必要だったのか。

自分の希望を選んでもいい。

相手に合わせてもいい。

断ってもいい。

引き受けてもいい。

「どちらが自分軸か」で正解を決めるのではなく、自分が何を見て、何を選んでいるのかを見ることができます。

自分軸を学んだのに、以前より「できているか」が気になるようになった方は、さらに自分軸を強くする前に、その採点も含めて見てみてください。

無料講座では、出来事・いろづけ・反応を分けながら、その場で何が起きているのかを順番に見ていきます。

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この記事を書いた人

そとがわメソッド開発者。心理学・自己啓発・潜在意識などを学んでも自己否定が終わらなかった自身の経験から、「自分を変える前に、何が起きているのかを見る」そとがわメソッドを開発。著書『自分を否定しない練習』。
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