インナーチャイルドを癒しても同じ反応を繰り返す|「過去に原因がある」の前に見たいこと

インナーチャイルドについて学んだ。

子どもの頃の自分を思い出した。

本当は悲しかったこと。

我慢していたこと。

言いたかったのに、

言えなかったこと。

「あのとき、こうしてほしかったんだ」

と気づいた。

泣いた。

自分に言葉をかけた。

少し楽になった。

それでも、

現実で何か起きると、

また同じように不安になる。

人の顔色が気になる。

嫌われるのが怖い。

断れない。

自分を責める。

すると、

「まだ癒えていないのかな」

「もっと過去に原因がある?」

「まだ見つけていない傷があるのかも」

と、

もう一度、

自分の過去を探し始める。

でも、

同じ反応が起きたとき、

見ることができるのは、

過去だけなのでしょうか。


目次

過去を振り返ることで分かることもある

最初に、

分けておきたいことがあります。

この記事は、

「過去は関係ない」

という話ではありません。

子どもの頃の経験を振り返ることで、

「あのとき本当は怖かった」

「ずっと我慢していた」

「こういう経験があったから、人の反応に敏感になったのかもしれない」

と、

それまで分からなかった自分の反応を理解できることがあります。

それによって、

楽になることもあるでしょう。

インナーチャイルドという考え方が、

自分を見るための役に立っているなら、

捨てる必要はありません。


同じ反応が起きると「まだ癒えていない」と思う

問題になることがあるのは、

そのあとです。

過去を振り返った。

傷ついていた自分に気づいた。

自分なりに向き合った。

以前より楽になった。

ところが、

ある日、

相手から冷たい返事が来た。

不安になる。

「何かした?」

と思う。

すると、

「また同じ反応をしている」

と気づく。

そして、

「ということは、まだインナーチャイルドが癒えていないんだ」

となることがあります。

すると、

もう一度、

原因を探します。


「まだ何かある?」が始まる

子どもの頃、

何があった?

親との関係?

学校?

きょうだい?

寂しかった記憶?

怒られた経験?

もっと小さい頃?

覚えていない何か?

探して、

それらしい出来事が見つかる。

向き合う。

それでも、

また現実で反応する。

すると、

「もっと深い傷があるのかもしれない」

となる。

こうして、

今の反応が起きるたびに、過去の中へ新しい原因を探しに行く

ことがあります。


「反応した」と「まだ癒えていない」は同じではない

ここで、

一度分けて見ます。

相手から返事が来た。

いつもより短かった。

不安になった。

ここまでで、

実際に起きているのは、

出来事があって、

自分の中に反応が起きた、

ということです。

そのあと、

「これはインナーチャイルドが反応している」

「まだ傷が癒えていない」

という説明がつくことがあります。

その説明が、

自分を理解するために役立つこともあります。

でも、

反応が起きたことと、「まだ癒えていない」と分かったことは同じではありません。


過去の原因が分からなくても、今起きていることは見られる

たとえば、

相手の返事が冷たく感じた。

「怒っている?」

と思った。

胸がざわついた。

何度もメッセージを読み返した。

自分が送った文章も確認した。

「変なことを書いた?」

と考えた。

追加でメッセージを送りたくなった。

ここまでなら、

過去を知らなくても見ることができます。

何が起きた?

何がついた?

何を予測した?

どんな反応が起きた?

そのあと、

何をしたくなった?

そして、

その行動は、なぜ必要になった?

と見ることができます。


原因を特定することと、仕組みを見ることは違う

「なぜ私はこうなったのか」

を知りたいことがあります。

その答えとして、

過去の経験を見ることもできます。

一方、

そとがわメソッドで見ているのは、

少し違います。

「なぜこういう人間になったのか」ではなく、今この反応がどう成立しているのか。

です。

相手の表情が変わった。

「怒っているかもしれない」となった。

身体が緊張した。

機嫌を確認したくなった。

謝った方がいい気がした。

相手に合わせた。

この流れを見るために、

「最初の原因」を確定する必要はありません。


「癒さなきゃ」が二つ目の問題になることもある

嫌われるのが怖かった。

ここまでは、

最初に起きた反応です。

そこから、

「まだこんなに怖い」

「全然癒えていない」

「もっと自分と向き合わなきゃ」

となる。

すると、

嫌われることへの怖さに加えて、

「まだ癒えていない自分」という問題

が増えます。

さらに、

「ちゃんと向き合えていないのかも」

「自分を愛せていないのかも」

「もっと子どもの頃の自分を受け入れなきゃ」

となることもあります。

苦しさを減らすために始めたものが、

自分の中に、

新しい課題を増やすことがあります。


子どもの頃の自分を癒せなかった自分まで責めなくていい

インナーチャイルドについて知ると、

過去の自分に、

優しい言葉をかけようとすることがあります。

「寂しかったね」

「怖かったね」

「もう大丈夫だよ」

そう言えることもあります。

でも、

言ってもしっくりこない。

何も感じない。

過去の記憶が出てこない。

泣けない。

許せない。

そんなこともあるかもしれません。

そこで、

「私は自分を受け入れられていない」

とすると、

今度は、

癒すことができない自分まで、直す対象になります。

何も感じなかったなら、

何も感じなかった。

許せなかったなら、

許せなかった。

そこから見ることもできます。


過去の記憶が正確かどうかを決めなくてもいい

過去を振り返っていると、

「本当にそうだったのかな」

と思うこともあります。

昔のことなので、

はっきり覚えていない。

自分の記憶と、

家族の話が違う。

何となく嫌だったことだけ覚えている。

そんなこともあります。

ここでも、

記憶を完全に確定できなければ、

今の自分を見られないわけではありません。

過去に何があったのか。

その記憶を今どう見ているのか。

そして、

現在の出来事で何が起きているのか。

それぞれ、

分けて見ることができます。


「親が原因」と決めなくても見られる

過去を見ていると、

親との関係にたどり着くことがあります。

実際に、

親との間でつらい経験があった人もいるでしょう。

その経験を、

なかったことにする必要はありません。

一方で、

今の反応が起きるたびに、

「親のせい」

あるいは、

「親を許せていない自分のせい」

と決めなくても構いません。

過去に起きたことと、

今起きていること。

関係がある可能性を残したまま、

それぞれを見ることができます。


「癒された自分」を新しい正解にしなくていい

インナーチャイルドを癒したら、

もっと自由になる。

人の顔色が気にならなくなる。

自分を愛せるようになる。

安心できるようになる。

そう期待することがあります。

でも、

その状態を正解にすると、

現実で反応するたびに、

「まだ癒えていない」

という採点が始まります。

すると、

自分の反応を見るより先に、

癒えているか、癒えていないか

を確認するようになります。

そとがわメソッドでは、

癒えている自分を完成形にはしません。

反応が起きたなら、

その反応を見る。

それだけです。


過去を見ることと、今を見ることは両立できる

過去を振り返ってはいけない、

という話ではありません。

過去を見たいなら、

見てもいい。

そこで気づくことがあるなら、

それも使えます。

ただ、

過去の原因が見つかるまで、

今の反応を理解できないわけではありません。

過去を見ることと、

今を見ることは、

どちらか一つではありません。

過去に何があったかを知ることと、今どう反応が成立しているかを見ることは、別々にできます。


「なぜこうなった?」から「今、何が起きている?」へ

同じ反応を繰り返したとき、

「なぜ私はこうなったんだろう」

と考える。

そこから、

過去を探すことがあります。

それで見えるものもあります。

でも、

何度探しても、

また同じところへ戻るなら。

問いを少し変えることもできます。

「この反応の最初の原因は何?」

ではなく、

「今、この反応はどうやって起きている?」

を見る。

すると、

過去の答えが見つかっていなくても、

今の自分を見ることができます。


過去の自分を否定しなくても、今の自分を見られる

過去に、

つらいことがあった。

寂しかった。

怖かった。

我慢していた。

それを、

なかったことにする必要はありません。

同時に、

今の自分が反応したからといって、

「まだ過去を癒せていない」

と決める必要もありません。

過去に何があったのか。

今、何が起きているのか。

そこに、

どんな意味がついたのか。

そして、

なぜその反応や行動が必要になったのか。

一つずつ、

分けて見ることができます。

そとがわメソッドの無料講座では、

こうした反応を、

原因名を先に決めて直すのではなく、

出来事と、

その出来事についた「いろづけ」、

そこから起きる反応を、

順番に分けて見ていきます。


よくある質問

インナーチャイルドは存在しないということですか?

この記事では、インナーチャイルドという考え方そのものを否定していません。

それを使うことで、自分の過去や感情を理解しやすくなる人もいるでしょう。

そとがわメソッドでは、その説明を採用するかどうかとは別に、今起きている反応を見ることができます。

過去の経験は今の反応に影響しないのですか?

この記事では、そうは考えていません。

過去の経験と現在の反応に関係があることも考えられます。

ただ、現在の反応を見るために、過去の原因を完全に特定することを必須にはしません。

インナーチャイルドを癒すことは意味がないのですか?

それによって楽になったり、自分への理解が深まったりするのであれば、一つの方法として使うことができます。

ただ、「また反応した=まだ癒えていない」と自動的に結びついて苦しくなるなら、その結びつきも分けて見ることができます。

過去を掘り下げなくてもいいのですか?

掘り下げたいなら、掘り下げても構いません。

そとがわメソッドでは、「掘り下げるべき」「掘り下げない方がいい」という正解を作るのではなく、なぜ今それが必要なのかも含めて見ていきます。


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また反応したとき、過去へ戻らなくても見られる

人の顔色が気になった。

嫌われるのが怖くなった。

断れなかった。

また自分を責めた。

そんなとき、

「まだ癒えていない傷があるのかもしれない」

と、もう一度過去へ原因を探しに行くこともできます。

でも、それだけが見方ではありません。

今、何が起きたのか。

そこに何がついたのか。

何を予測したのか。

どんな反応が起きたのか。

そのあと何をしたくなったのか。

そして、なぜその行動が必要になったのか。

過去の最初の原因が分からなくても、今の反応がどう成立しているのかは見ることができます。

これまで過去と向き合ってきたことを否定する必要もありません。

そこにもう一つ、「今起きていることを見る」という視点を加えてみたい方は、無料講座0時間目からご覧ください。

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この記事を書いた人

そとがわメソッド開発者。心理学・自己啓発・潜在意識などを学んでも自己否定が終わらなかった自身の経験から、「自分を変える前に、何が起きているのかを見る」そとがわメソッドを開発。著書『自分を否定しない練習』。
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