嫌だった。
なんとなく違和感があった。
本当は行きたくなかった。
その言い方は、
少し傷ついた。
最初は、
ちゃんとそう感じていた。
それなのに、
少し時間が経つと、
「でも、私が気にしすぎなのかな」
「普通はこんなことで嫌だと思わない?」
「悪気はなかっただろうし」
「私の受け取り方がおかしい?」
と考え始める。
誰かに話して、
「それくらい気にしなくていいよ」
と言われると、
「やっぱり私がおかしかったのかな」
と思う。
気づけば、
最初に感じていたことより、
その感覚が正しいかどうか
を考えている。
でも、
自分の感覚を疑ってしまうとき、
最初から自分の気持ちが分からなかったとは限りません。
最初は分かっていたのに、
そのあとで別のものがついている
ことがあります。
最初の感覚は、すでに出ていることがある
たとえば、
誰かに何かを言われた。
その瞬間、
「嫌だな」
と思った。
誘われて、
「行きたくない」
と思った。
何かを頼まれて、
「それはやりたくない」
と思った。
つまり、
何も感じていないわけではありません。
ところが、
そのあと、
「でも、こんなことで嫌だと思うのはおかしい?」
「断ったら感じ悪いかな」
「みんな普通にやってるし」
「相手にも事情があるよね」
と考え始める。
すると、
最初にあった、
「嫌だった」
「行きたくない」
「やりたくない」
が、
だんだん分からなくなってくる。
自分の感覚がないのではなく、
出てきた感覚を、そのあと検査している。
そんな場合があります。
「嫌だった」と「相手が悪い」は同じではない
ここで、
分けておきたいことがあります。
「私は嫌だった」
と感じたことと、
「相手が悪い」
と決めることは、
同じではありません。
相手には、
悪気がなかったかもしれない。
一般的には、
それほど問題のないことかもしれない。
ほかの人なら、
気にならないかもしれない。
それでも、
自分が嫌だったという反応が起きた
ということはできます。
反対に、
嫌だったからといって、
必ず相手を責めなければならないわけでもありません。
起きたこと。
自分が感じたこと。
相手についてどう判断するか。
そのあと何をするか。
全部を一つにしなくても構いません。
そとがわメソッドでは、
こうして一度、
起きているものを分けて見ます。
「私が気にしすぎ?」は、いつ出てきた?
たとえば、
相手から少し強い言い方をされた。
「怖かった」
と思った。
ここまでを、
いったん置いてみます。
そのあと、
「でも怒鳴られたわけじゃない」
「相手は普通に話しただけかも」
「私が敏感すぎる?」
「こんなことで怖がるのおかしいよね」
と出てきた。
すると、
最初は、
「怖かった」
だったものが、
最後には、
「私は気にしすぎる人」
になっていることがあります。
ここまで全部を一つにすると、
「自分の感覚が分からない」
になります。
でも、
順番に分けると、
感覚が分からなかったのではなく、
感覚が出たあとに、その感覚を疑う反応が起きた
と見ることもできます。
「普通はどう感じる?」を探したくなることもある
自分の感じ方に自信がなくなると、
基準を外に探すことがあります。
「これって普通?」
「みんなならどう思う?」
「私が考えすぎ?」
と人に聞く。
SNSで調べる。
似た経験を検索する。
誰かが、
「それは嫌だと思って当然だよ」
と言えば、
安心する。
反対に、
「そんなに気にすること?」
と言われると、
また自分を疑う。
人に聞くことや、
調べること自体が悪いわけではありません。
情報が必要なこともあります。
別の視点を知ることで、
見え方が変わることもあります。
ただ、
その行動が、
「自分が感じたことを採用していいか、誰かに判定してもらう」
ために必要になっていることもあります。
その場合は、
何を聞いたかだけでなく、
なぜ確認したくなったのかも見てみます。
「自分の感覚を信じよう」も、新しい正解になる
自分の感覚を疑ってしまう。
そこで、
「もっと自分を信じよう」
「自分軸で生きよう」
「自分の気持ちを最優先しよう」
と考えることがあります。
それで楽になるなら、
それを使っても構いません。
でも、
今度は、
「また人の意見を聞いてしまった」
「自分の感覚を信じられなかった」
「また他人軸になった」
と、
自分をチェックし始めることがあります。
すると、
自分の感覚を疑って苦しかったところに、
「自分の感覚をちゃんと信じられない自分」
という問題まで増えることがあります。
そとがわメソッドでは、
何でも自分の感覚だけで決められる人になることを目指しません。
人に聞くこともある。
考え直すこともある。
最初の印象が変わることもある。
自分が勘違いしていたと分かることもある。
そのうえで、
自分の中で何が起きて、
なぜ今その判断が必要になっているのか
を見ます。
自分軸について学んだあと、自分の行動を「これは自分軸? 他人軸?」とチェックするようになっている場合は、こちらの記事も近い内容です。
→ 自分軸で生きたいのに苦しくなるのはなぜ?「これって他人軸?」と自分をチェックしてしまう人へ
感覚と行動も分けていい
「嫌だと感じたなら断らなければ」
「違和感があるなら離れなければ」
という話でもありません。
嫌だった。
でも、
今回は引き受ける。
行きたくなかった。
でも、
行くことを選ぶ。
不安だった。
でも、
やってみる。
そんな選択もできます。
大切なのは、
感じたことと、行動を一つにしないこと。
自分の感覚を認めることは、
その感覚のとおりに必ず行動することではありません。
「私は嫌だった」
を、
いったんそのまま置く。
そのうえで、
どうするかを選ぶこともできます。
「どうしたら自分の感覚を信じられる?」から少しずらして見る
自分の感覚を疑ったとき、
すぐに、
「もっと自分を信じなきゃ」
とする前に、
少し問いを変えてみます。
「最初に何を感じて、そのあと何が起きた?」
最初は、
嫌だった。
そのあと、
「嫌だと思うのはわがままかも」
と出てきた。
最初は、
行きたくなかった。
そのあと、
「断ったら嫌われるかも」
と出てきた。
最初は、
傷ついた。
そのあと、
「相手に悪気はないんだから、傷つく私がおかしい」
と出てきた。
そうすると、
「自分の感覚が分からない」という一つの問題ではなく、
最初の反応と、
その反応に対してあとから起きたこと
を分けて見ることができます。
必ず、
最初の感覚が正しいと決める必要もありません。
あとから考えが変わっても構いません。
まずは、
何がどの順番で起きたのか。
そこを見ます。
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自分の気持ちを大切にしていい。
自分軸でいていい。
人と違っていてもいい。
頭では、
もう知っている。
それでも、
実際に自分の中から何かが出てくると、
「これで合ってる?」
「私がおかしい?」
と確認したくなる。
そとがわメソッド無料講座では、
出来事と、
そこについた意味や予測、
そこから起きる反応を、
順番に分けて見ていきます。
今回の記事から入るなら、
まず0時間目から全体の見方を知るのが分かりやすいです。
「何でも自分の感覚を信じられる人」になるためではなく、
なぜ、自分の中に出てきたものを確認し直す必要があるのかを見るための入口
としてご覧ください。
よくある質問
自分の感覚は、全部信じた方がいいのでしょうか?
全部を正しいと決める必要はありません。
勘違いすることもあります。
あとから考えが変わることもあります。
ここで扱っているのは、
感覚が正しいか間違っているかではなく、
何かを感じたあと、すぐにその感覚を取り消す必要が起きていないか
という部分です。
「私が気にしすぎ?」と人に聞くのはやめた方がいいですか?
やめる必要はありません。
人に聞くことで、
自分にはなかった情報が得られることもあります。
見るのは、
「聞いたかどうか」ではなく、
何を確認するために聞いたのかです。
情報が欲しかったのか。
安心したかったのか。
「あなたの感じ方は正しい」と言ってほしかったのか。
自分の場合を見ます。
自分の感覚と相手の意見が違ったら、どちらを優先すればいいですか?
いつもどちらかを優先する、
という固定された答えにはしません。
自分がどう感じたか。
相手はどう考えているか。
実際に何が起きたか。
その場で必要なことは何か。
それぞれを分けたうえで、
どうするかを選ぶことができます。
関連記事
自分軸について学んでから、「これは自分軸? 他人軸?」と自分をチェックするようになった場合はこちら。
→ 自分軸で生きたいのに苦しくなるのはなぜ?「これって他人軸?」と自分をチェックしてしまう人へ
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→ 頭ではわかっているのにできないのはなぜ?「意志が弱い」では説明できない理由
何かあるたびに、最終的に「自分が悪い」に戻ってしまう場合はこちら。
→ 自分を責めるのをやめたいのにやめられないのはなぜ?自分責めが必要になる仕組み
自分の感覚を「信じられる自分」にならなくてもいい
嫌だった。
傷ついた。
行きたくなかった。
そう感じたあと、
「でも、私が気にしすぎかも」
「相手に悪気はないし」
「こんなことで嫌だと思う私がおかしいのかも」
と出てくることがあります。
そんなとき、
「もっと自分を信じなきゃ」
「自分軸にならなきゃ」
と、自分の感覚を信じられる人へ直そうとしなくても構いません。
見ることができるのは、
最初に何を感じて、そのあと何が起きたのか。
嫌だと感じた。
そのあと、それを取り消す必要が出てきた。
人に確認したくなった。
相手の事情を考え始めた。
自分のほうがおかしいことにしたくなった。
その順番を見ることができます。
最初の感覚を絶対に正しいものにする必要もありません。
あとから考えが変わっても構いません。
「自分を信じるか、疑うか」を決める前に、自分の中で何が起きているのかを見ることができます。
その見方を最初から知りたい方は、無料講座0時間目からご覧ください。

そとがわメソッド開発者。心理学・自己啓発・潜在意識などを学んでも自己否定が終わらなかった自身の経験から、「自分を変える前に、何が起きているのかを見る」そとがわメソッドを開発。著書『自分を否定しない練習』。
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