「すごいですね」
「仕事早いですね」
「センスありますね」
「頑張ってますね」
褒めてもらった。
本来なら、
「ありがとうございます」
で終わってもいい。
でも、
反射的に、
「いやいや、そんなことないです」
「全然ですよ」
「たまたまです」
「私なんてまだまだです」
と返してしまう。
あとから、
「普通にありがとうって言えばよかったな」
と思うこともある。
褒められるのが嫌なわけではない。
嬉しくないわけでもない。
それなのに、
なぜかそのまま受け取れない。
そんなとき、
「自己肯定感が低いから」
と説明されることがあります。
それで説明できる場合もあるでしょう。
でも、
そとがわメソッドでは、
もう少し手前を見ます。
褒められたあと、
「そんなことない」と言うまでに、
自分の中で何が起きたのでしょうか。
「褒められた」が最初に起きたこと
たとえば、
仕事をした。
それを見た人から、
「すごく分かりやすかったです」
と言われた。
ここまでが、
実際に起きたこと。
そのあと、
「いや、そんな大したことしてないし」
「もっとできる人はいっぱいいるし」
「これくらい普通だし」
「本当の私を知らないからそう思うだけ」
と出てくる。
そして、
「そんなことないですよ」
と返す。
全部をまとめると、
「私は褒め言葉を受け取れない」
になります。
でも、
順番に分けると、
褒められたあとに、
その評価をそのまま置いておけない何かが起きている
と見ることもできます。
褒め言葉を否定しているのか、自分を説明しているのか
「そんなことないです」
と言うとき、
必ずしも、
相手の言葉を嫌っているとは限りません。
むしろ、
相手が言っている自分と、
自分が知っている自分が、
合わないことがあります。
「仕事が早いですね」
と言われても、
自分は、
途中で何度も迷ったことを知っている。
「しっかりしていますね」
と言われても、
家では何もできなかった日を知っている。
「すごいですね」
と言われても、
自分よりできる人をたくさん知っている。
すると、
相手から見えている自分に対して、
「いや、本当はそんな人じゃない」
と訂正したくなる。
でも、
相手が、
あなたのすべてを評価したとは限りません。
その人は、
そのとき見えたものについて、
「すごい」
と思ったのかもしれません。
相手がそう感じたことと、
自分が自分をどう評価しているかは、
同じでなくても構いません。
「ありがとう」と言ったら、何が起きそう?
少し場面を止めてみます。
誰かから、
「すごいですね」
と言われた。
いつものように、
「そんなことないです」
と言わず、
ただ、
「ありがとうございます」
と言ったとします。
そのとき、
何が起きそうでしょうか。
「自分ですごいと思っている人みたい」
「調子に乗っていると思われそう」
「謙虚じゃない気がする」
「そんな評価を受け取っていいほどではない」
「期待されたら困る」
何かが出てくるかもしれません。
もちろん、
何も出てこない人もいます。
大切なのは、
「褒め言葉は素直に受け取りましょう」
という正解を覚えることではありません。
自分の場合は、
なぜ否定する必要があったのか。
そこを見ます。
褒められると「次もできなければ」に変わることもある
褒め言葉が、
その瞬間だけで終わらないこともあります。
「仕事が早いですね」
と言われた。
すると、
「次も早くしなきゃ」
になる。
「いつも頼りになります」
と言われた。
すると、
「これからも頼られる自分でいなきゃ」
になる。
「しっかりしていますね」
と言われた。
すると、
「しっかりしていないところを見せられない」
になる。
相手は、
その瞬間の感想を言っただけかもしれません。
でも、
自分の中では、
褒め言葉が、次から守らなければならない評価になる
ことがあります。
そうなるなら、
褒められることは、
嬉しいだけではありません。
評価を受け取らないことで、
その評価に縛られずに済む。
そんな動きがある場合もあります。
「自己肯定感を上げよう」が答えとは限らない
褒め言葉を受け取れない。
だから、
自己肯定感が低い。
もっと自分を認めよう。
自分のいいところを探そう。
そう考えることがあります。
それで楽になるなら、
使って構いません。
でも、
「また褒め言葉を否定してしまった」
「まだ自己肯定感が低い」
「もっと自分を認めなきゃ」
と、
今度は自分を採点し始めることもあります。
すると、
褒められたときに居心地が悪かったところへ、
「褒め言葉さえ受け取れない自分」
という問題が追加されます。
そとがわメソッドでは、
褒められたら必ず、
「ありがとうございます」
と言える人になることを目指しません。
否定することもある。
照れることもある。
嬉しいこともある。
何とも思わないこともある。
見るのは、
その反応が出たとき、
自分の中で何が起きていたのか
です。
「そんなことないです」と言うこと自体が悪いわけではない
ここも、
分けておきます。
「そんなことないです」
と言ってはいけない、
という話ではありません。
日本語の会話では、
謙遜として使うこともあります。
その場のやり取りとして、
自然に出ることもあります。
だから、
言葉だけを見て、
「褒め言葉を受け取れていない」
と決めることはできません。
見るなら、
そのときの自分です。
本当は嬉しかったけれど、
会話として謙遜しただけなのか。
褒められた瞬間、
強く否定したくなったのか。
相手の評価が間違っているように感じたのか。
受け取ったら、
何か困ることがありそうだったのか。
同じ「そんなことないです」でも、
中で起きていることは同じとは限りません。
「どうしたら褒め言葉を受け取れる?」から少しずらして見る
褒められるたび、
反射的に否定してしまう。
そんなとき、
「どうしたら素直に受け取れる?」
と考える前に、
少し問いを変えてみます。
「もし、その言葉を否定しなかったら何が起きそう?」
自意識過剰な気がする。
期待されそう。
次もできなければ困る。
自分が知っている自分と合わない。
理由は分からないけれど、
ただ居心地が悪い。
何が出てくるかは、
人によって違います。
だから、
先に、
「自己肯定感が低いから」
「謙虚すぎるから」
と答えを決めなくても構いません。
褒められた。
そのあと何が出た。
何を感じた。
そして、
なぜ否定する必要があった。
その順番を見ます。
無料講座で「分かっているのに否定してしまう」を見てみませんか?
褒められたら、
素直に受け取ればいい。
「ありがとう」と言えばいい。
頭では、
分かっている。
それでも、
実際に褒められると、
「いやいや」
「そんなことないです」
が先に出る。
そとがわメソッド無料講座では、
出来事と、
そこについた意味や予測、
そこから起きる反応を、
順番に分けて見ていきます。
今回の記事から入るなら、
まず0時間目から全体の見方を知るのが分かりやすいです。
「褒め言葉を受け取れる人」になるためではなく、
なぜ自分には、その言葉を否定する必要があるのかを見るための入口
としてご覧ください。
よくある質問
褒められたら「ありがとう」と言う練習をした方がいいですか?
それで楽になるなら、
やってみても構いません。
ただ、
「ありがとうと言えたか」を、
新しい採点基準にする必要はありません。
言えなかったときは、
なぜ言えなかったのかを見る材料にもできます。
褒め言葉を受け取れないのは、自己肯定感が低いからですか?
そう説明されることはあります。
ただ、
実際には、
自分への評価と合わない、
期待されるのが怖い、
謙遜する必要を感じるなど、
同じ行動でも中で起きていることは異なります。
そとがわメソッドでは、
先に原因名を決めず、
その人の実際の反応を見ます。
本当に相手がお世辞を言っている場合もありますよね?
あります。
相手が本心で言っているかどうかと、
自分が褒められたときに何を感じるかは、
分けて考えることができます。
お世辞かもしれない。
本心かもしれない。
その判断とは別に、
自分の中で何が起きたかを見ることはできます。
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「ありがとう」と言えるようになることがゴールではない
また、
「そんなことないです」
と言ってしまった。
そんなとき、
「また褒め言葉を受け取れなかった」
「もっと自己肯定感を上げなきゃ」
と、新しい問題を増やさなくても構いません。
見ることができるのは、
褒められたあと、その言葉をそのまま置いておけなくなるまでに何が起きたのか。
期待されそうだったのか。
自分が思っている自分と違ったのか。
受け取ると、自意識過剰な気がしたのか。
それとも、ただその場では謙遜しただけなのか。
同じ「そんなことないです」でも、中で起きていることは同じとは限りません。
だから、
「褒め言葉を受け取れる自分」を作る前に、なぜ自分には否定する必要があったのかを見ることができます。
その見方を最初から知りたい方は、無料講座0時間目からご覧ください。

そとがわメソッド開発者。心理学・自己啓発・潜在意識などを学んでも自己否定が終わらなかった自身の経験から、「自分を変える前に、何が起きているのかを見る」そとがわメソッドを開発。著書『自分を否定しない練習』。
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