ちゃんとやっているつもりなのに、また怒られた。
前に注意されたところは直した。
同じことを言われないように気をつけた。
確認する回数も増やした。
それなのに、今度は別のことを指摘される。
そんなことが続くと、
「まだ何か足りないのかな」
「もっとちゃんとしないと」
「私のやり方が悪いんだろうか」
と、また自分の中に改善点を探し始めることがあります。
もちろん、本当に仕事上の不備があるなら、直した方がいいことはあります。
でも、
「改善できるところを直すこと」と、「怒られたから自分をもっと直さなければと思うこと」は別です。
そとがわメソッドでは、
「どうすればもう怒られないか」
を考える前に、
怒られたという出来事から、なぜ「もっと自分を直さなければ」まで進んでいくのか
を分けて見ていきます。
一つ直しても、また別のことを言われる
最初に言われたところは直した。
次は同じことを言われないように気をつけた。
それなのに、
今度は別のことを指摘された。
すると、
「まだ足りない」
と感じることがあります。
そして、
「次はもっと確認しよう」
「もっと先回りしよう」
「もっと気をつけよう」
と、新しい改善項目が増えていく。
一つ一つを見ると、
どれも仕事をきちんとするための工夫に見えます。
でも、
何か言われるたびに、
「自分の中の直す場所」を追加していると、
だんだん、
何をどこまでやれば十分なのか分からなくなる
ことがあります。
「怒られた」と「自分がちゃんとできていない」を分けてみる
たとえば仕事で、
「ここ、確認しておいてください」
と言われたとします。
まず確認できるのは、
その部分について確認するよう言われた
ということです。
そこから自分の中で、
「またできていなかった」
「ちゃんとできていなかった」
「仕事ができないと思われた」
と意味がつくことがあります。
さらに、
「また怒られるかもしれない」
「評価が下がるかもしれない」
「迷惑をかけるかもしれない」
と、その先を予測する。
すると、
不安になる。
身体が緊張する。
相手の表情が気になる。
そして、
「次は絶対に間違えないようにしよう」
「もっと確認しよう」
「もっと先回りしよう」
という行動につながることがあります。
一つにまとめると、
「怒られたから、もっとちゃんとしなければ」
です。
でも分けると、
実際に起きたこと。
そこについた意味。
その先に起きると予測したこと。
身体や感情の反応。
そこから取った行動。
いくつものものがあります。
「もっとちゃんとしないと」が必要になるのにも理由がある
何か言われたあと、
不安になる。
身体が緊張する。
相手の表情が気になる。
「また失敗したらどうしよう」
と思う。
そこで、
「もっとちゃんとしないと」
「次は絶対に間違えないようにしないと」
となる。
このとき、
「もっとちゃんとする」は、
ただの性格とは限りません。
自分の中で、
また怒られる。
評価が下がる。
迷惑をかける。
できない人だと思われる。
そんなことが起きると予測しているなら、
それを防ぐために、
確認する。
先回りする。
慎重になる。
自分の行動を何度も振り返る。
そうした行動が必要になることがあります。
だから、
「もっと力を抜けばいい」
「気にしなければいい」
と言われても、
簡単にはやめられないことがあります。
見るのは、
「なぜそんなにちゃんとしようとするの?」ではなく、「何が起きると予測しているから、ちゃんとする必要がある?」
です。
さらに「こんなことで傷つく自分はダメ」が重なることもある
注意されて、
不安になった。
怖くなった。
落ち込んだ。
これは、そのとき起きた反応です。
ところが、そのあとに、
「注意くらいで落ち込む自分は弱い」
「また人の評価を気にしている」
「こんなことで動揺するなんて、まだ変われていない」
と考えることがあります。
すると、
最初は仕事上の一つの注意だったものが、
最後には、
「こんな反応をする自分も直さなければ」
という問題になります。
これが、
反応したあとに重なる二次的な反応です。
仕事上の修正点だけでなく、
反応した自分まで改善対象にすると、
直すものはさらに増えていきます。
問題は、改善することそのものではない
仕事でミスがあれば、
直せばいい。
確認不足があれば、
次に確認する。
分からなければ、
聞く。
それ自体は問題ではありません。
苦しくなりやすいのは、
一つの問題が起きるたびに、
「次はこれを守らなきゃ」
「これも気をつけなきゃ」
「もっとちゃんとしなきゃ」
と、
自分に新しい条件を追加し続けるときです。
気づけば、
仕事を適切にすることより、
「何も言われない自分でいること」
の方が大きな目的になっていることがあります。
すると、
何かするたびに、
「これは大丈夫?」
「前に言われたことは守れてる?」
「他にも抜けてない?」
と確認することが増えていきます。
「もっとちゃんとする」を増やす前に、自分の中で起きていることを見る
無料講座では、
次に何を改善すれば怒られなくなるかを探すのではなく、
出来事と、
そこから自分の中で起きたことを分けて見ていきます。
何を言われた?
そこにどんな意味がついた?
何が起きると予測した?
どんな反応が起きた?
そのあと、自分をどう評価した?
そして、
なぜ「もっとちゃんとしなければ」が必要になった?
次の正解を増やす前に、
自分でも自分の仕組みを見られるようになるところから始めます。
ちゃんとやれば、もう何も言われないとは限らない
ここは分けておきたいところです。
自分が改善できることはあります。
でも、
相手が何を気にするか。
どんな基準を持っているか。
どの程度を求めるか。
その日の状況。
相手の余裕。
言い方。
そうしたものまで、
全部自分だけで決めることはできません。
同じ仕事でも、
ある人は何も言わない。
別の人は細かく指摘する。
同じ人でも、
状況によって求めるものが変わる。
そんなこともあります。
だから、
「また何か言われた」
という結果だけを見て、
「まだ自分の改善が足りない」
と決める必要はありません。
反対に、
全部を相手の問題にする必要もありません。
実際に自分が改善できるところと、自分だけでは決められないところを分けます。
「怒られないための正解」を増やすほど苦しくなることもある
前に、
「もっと確認して」
と言われた。
だから、確認を増やした。
すると今度は、
「そこまで確認しなくていい」
と言われる。
前に、
「自分で考えて」
と言われた。
だから、自分で判断した。
すると今度は、
「なぜ先に聞かなかったの?」
と言われる。
こんなことが続けば、
「じゃあ、どっちが正解なの?」
となります。
でも、
状況が変われば、
必要な対応も変わることがあります。
それなのに、
過去に言われたことを全部、
「今後ずっと守らなければならない正解」
として蓄積していくと、
何をするにも条件が増えていきます。
「もっとちゃんとする」ことで安心しようとしているのに、
逆に、
「何を守ればいいのか分からない」
状態になることもあります。
→ 何をしても文句を言われるのはなぜ?「何を直せばいい?」となったときに見ること
注意されたことが「自分全部の否定」に広がる場合もある
もう一つ、
注意された内容よりも、
「怒られたことそのもの」が強く残る場合があります。
一つの仕事について指摘された。
でも、
自分の中では、
「仕事ができないと思われた」
「自分はダメだと思われた」
「嫌われた」
と広がっていく。
すると、
一部分の修正だけでは終わらなくなります。
仕事のやり方だけでなく、
話し方。
振る舞い。
人との接し方。
性格。
自分そのものまで、
「直した方がいいもの」に見えてくることがあります。
この場合は、
何を指摘されたのかと、そこから自分全体について何を意味づけたのか
を分けて見ます。
→ 注意されると全部否定された気がするのはなぜ?一つの指摘が「自分全部」に広がる仕組み
結果を知ったあとに、過去の自分を責め続けることもある
怒られたあとには、
「あそこを確認しておけばよかった」
「先に聞けばよかった」
「普通に考えれば分かったはず」
と思うことがあります。
そこから、
次に活かせることが見つかる場合もあります。
でも、
結果を知った今の自分から見ると分かることを、
そのときの自分にも、
「最初から分かるべきだった」
と求めることがあります。
今なら分かる。
でも、
そのときには、
そこまで認識できていなかったかもしれない。
改善することと、
今の理解を使って過去の自分を採点し続けることは、
同じではありません。
「次からはこうしよう」
で終われるものもあります。
また怒られたからといって、全部元に戻ったわけではない
以前も怒られた。
今回も怒られた。
そうすると、
「結局、何も変わっていない」
と思うことがあります。
でも、
同じような出来事が起きたからといって、
自分の中で起きていることまで、
全部同じとは限りません。
以前なら、
「全部自分が悪い」
となっていた。
今回は、
「ここは直せる。でも、相手が怒るかどうかまでは自分では決められない」
と分けられた。
以前なら、
何日も自分を責めていた。
今回は、
必要な修正だけして終われた。
同じように不安になっても、
そのあとに取る行動が違うこともあります。
反応が出たことだけで、
「変わっていない」
と決める必要はありません。
今日ひとつだけ見るなら
次に何か指摘されたとき、
すぐに、
「次はもっとちゃんとしよう」
へ進む前に、
一つだけ見てみてください。
「私は今、何が起きないように自分を直そうとしている?」
また怒られること?
評価が下がること?
迷惑をかけること?
仕事ができないと思われること?
嫌われること?
何も問題を起こさないこと?
何が出てくるかは、
人によって違います。
答えを確定する必要もありません。
ただ、
「もっとちゃんとしなきゃ」
で終わらず、
その言葉が必要になるまでに、自分の中で何が起きていたのか
を見てみます。
まとめ|「もっとちゃんとする」前に、怒られてから自分を直すまでを分けて見る
ちゃんとやっているのに怒られる。
一つ直したのに、
また別のことを言われる。
そんなことが続けば、
「もっとちゃんとしなきゃ」
と思うことがあります。
でも、
その一言の中には、
いろいろなものが入っているかもしれません。
実際に指摘されたこと。
そこについた意味。
その先に起きると予測したこと。
不安や緊張。
次は失敗しないための行動。
そして、
反応した自分への評価。
それらを一度分けてみます。
本当に改善できるところがあれば、
改善する。
相手側や環境側のことなら、
それも分ける。
まだ分からないことなら、
分からないまま置いておく。
そとがわメソッドは、
「もっとちゃんとする方法」を増やすためのものではありません。
問題が起きるたびに自分を直す前に、自分の中で何が起きているのかを見る。
そこから始めます。
関連記事
一つ直しても、また別のことで文句を言われる
「じゃあ何をすれば正解なの?」
「何を直せば何も言われなくなるの?」
と正解探しが増えている場合はこちら。
→ 何をしても文句を言われるのはなぜ?「何を直せばいい?」となったときに見ること
一つ注意されただけなのに、自分全部を否定されたように感じる
仕事の一部分を指摘されたはずなのに、
「自分はダメだ」
「価値がない」
まで広がってしまう場合はこちら。
→ 注意されると全部否定された気がするのはなぜ?一つの指摘が「自分全部」に広がる仕組み
問題が起きるたび、自分を責めるところへ戻る
何か起きると、
「私の何が悪かった?」
「もっと何を直せばいい?」
と原因を自分の中へ戻してしまう場合はこちら。
→ 自分を責めるのをやめたいのにやめられないのはなぜ?自分責めが必要になる仕組み
心理学を学んでも、現実では同じところへ戻ってしまう
自分についてかなり理解しているのに、
実際の出来事ではまた「もっと自分を直さなければ」へ戻ってしまう場合はこちら。
→ 心理学を学んでも変わらないのはなぜ?何度自分を直しても終わらない人へ
もう少し詳しく見てみたい方へ
無料講座では、
「もう怒られないためにはどうすればいい?」
という次の正解を増やすのではなく、
出来事と、
そこから自分の中で起きていることを分けながら見ていきます。
何が起きたのか。
何を意味したのか。
何が起きると予測したのか。
どんな反応が起きたのか。
なぜその行動が必要になったのか。
「もっとちゃんとしなきゃ」で終わっていたものを、一枚ずつ分けて見てみる。

そとがわメソッド開発者。心理学・自己啓発・潜在意識などを学んでも自己否定が終わらなかった自身の経験から、「自分を変える前に、何が起きているのかを見る」そとがわメソッドを開発。著書『自分を否定しない練習』。
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