「ワクワクすることに従えば、人生がうまくいく」。そんな言葉を聞いたことはありませんか。バシャールの教えを知ると、よく出会うのが「ワクワクに従う」という考え方です。
ただ、いざ日常で試そうとすると、案外困ります。「仕事より漫画を読みたいときは?」「やりたいことが二つあったら?」「そもそも、今日は何にもワクワクしないんだけど?」。そして、ときには「ワクワクできない私は、何か間違っているのかな」と考え始めることもあります。
ところが、バシャールの公式を原文で読むと、「好きなことだけしていれば願いが叶う」よりも、ずっと細かい話をしているのです。しかも、思いどおりの結果にこだわらないことや、自分の信念を調べることまで含まれています。
この記事では、バシャールとは何者として語られているのかから始め、公式の5段階、ワクワクと不安の区別、現実での使い方、そしてこの教えだけでは説明しきれないところまで見ていきます。バシャールに興味がある人が、本人の伝えてきた内容に触れるための入口です。
バシャールとは? ダリル・アンカを通して語られる存在
バシャール(Bashar)は、アメリカのダリル・アンカ(Darryl Anka)がチャネリングという形式で伝えてきた存在です。アンカは1983年から公の場で語り始めたと説明しており、バシャールは地球外の文明に属する存在として紹介されています。講演や質疑応答、書籍、映像などを通じて、人間の意識、信念、現実、自由意志などを語ってきました。
興味深いのは、伝える側のアンカ自身が「地球外存在であると信じなければならない」とはしていないことです。公式の自己紹介では、別の意識からの通信と受け取る人も、自分の意識の一部からのものと受け取る人もいてよい、と説明しています。
この背景を知ると、バシャールの話を読む入口は一つではないとわかります。地球外文明や意識の世界観に惹かれる人もいれば、日々の選択についての考え方に興味を持つ人もいるでしょう。
「ワクワク」は、楽しい気分を増やすことではない
バシャールが使う「ワクワク(excitement)」は、その人の本来のあり方、いわゆる「ハイヤーマインド」からの方向を示すものとして説明されます。これはバシャールの世界観における説明です。単にテンションが高い状態や、一日中ご機嫌でいることを指しているわけではありません。
例えば、旅行の計画に心が躍る人もいれば、壊れた時計を分解してみたくなる人もいる。誰かと話すのが楽しい日も、一人でぼんやり考えたい日もある。本人にとって惹かれる方向は、必ずしも立派な目標や一生の仕事の形をしているとは限りません。
2015年のバシャール公式配布資料「The Formula」には、仕事や大きな計画でなくてもよく、選択肢の中に少しでも多くのワクワクがあるなら、そこから行動するという趣旨が書かれています。「人生の天職を見つけてからスタート」ではなく、今日目の前にある選択肢から始まるのです。
さらに、その資料には不安をワクワクと取り違えたり、反対にワクワクを恐れのために不安だと感じたりしていないか、信念を確かめる項目もあります。「ドキドキしているから、これは必ず進むべき合図」と短絡できないところが面白いですね。
バシャールの「ワクワクの公式」は、実は5つある
バシャールの公式サイトは、現在「Follow Your Excitement Formula(ワクワクに従う公式)」を5つの段階で説明しています。ここでは要点を日本語で紹介します。
- 今この瞬間、最もワクワクすることに行動する。 可能なときに、その選択肢へ向かう。
- 今できる限りのことをする。 それ以上進めないところまで取り組む。
- 特定の結果に固執しない。 こうなるはず、こうでなければ困る、と決めつけない。
- 何が起きても、ポジティブな状態を選ぶ。 起きた出来事の受け取り方を大切にする。
- 自分の信念体系を調べ続ける。 恐れからの前提や、望むあり方と合わない前提を見直す。
つまり、「ワクワクに従う」は感情だけの話ではなく、行動・結果への態度・信念の点検まで含む考え方です。なお、2015年の公式配布資料は特に行動、できる限りの実行、結果への非固執の3要素を中心に構成されており、公式サイトでは5段階で整理されています。違う教えが二つあるというより、公開資料ごとの整理の仕方が異なります。
出典:Bashar公式「The Follow Your Excitement Formula」/公式配布資料「The Formula」(2015年、PDF・英語)。
① 「今の選択肢」の中から選ぶ
「何をして生きればいいのかわからない」。そう思ったとき、いきなり人生最大の情熱を見つけようとすると、むしろ選べなくなるかもしれません。バシャールの説明は、もっと小さなところから始まります。
たとえば休日の午後。洗濯物は取り込んだ。これから何をしよう。読みかけの本、散歩、気になっていた料理の動画、友人への連絡。今できる範囲で「ちょっとこっちが気になる」というものを選ぶ。そんなことも一つの実践になります。
大切なのは、どれを選べば宇宙から正解をもらえるかと考え始めないこと。「散歩にしたら未来が変わる? 本を読んだら運命がずれる?」となった瞬間、ただ散歩に行くより壮大な試験になってしまいます(笑)。
② 「できる限り」は、無理をして突き進むこと?
公式資料には「今持っている能力や状況の範囲で、できるところまで行動する」とあります。しかも、行動できる条件を判断するものとして、身体的な制約、社会の法律、倫理などにも触れています。
「ワクワクするから会社を辞めたい」と思ったとしても、家賃や生活費の支払いが消えるわけではありません。今日できることが、求人情報を調べることかもしれないし、週末だけ試してみることかもしれない。興味がある方向へ進むことと、現実の条件を無視することは同じではないのです。
逆に、誰かのものが欲しくてたまらないから持ち帰る、といった行為は「ワクワクしているので自由にやっていい」では済みません。公式資料自身が法律や倫理を行動の条件として挙げている点は、意外と知られていないかもしれません。
③ 結果への「こだわりを手放す」とは何を手放すのか
こちらも重要です。ワクワクしたから行動した。だから必ず期待した形のご褒美が返ってくる。もしそのように理解すると、公式の3番目とぶつかります。
「この企画を出したら絶対に採用されるはず」「この人に連絡したら必ず仲良くなれるはず」。期待を持つこと自体は珍しくありません。ただ、結果を先に固定してしまうと、そうならなかったときに「ワクワクを間違えた」「宇宙のサインを読み違えた」と判断しやすくなります。
バシャールの説明では、ワクワクした対象そのものが実現するとは限らず、その方向へ動くことが別の経験へつながる場合もあるとされています。これは「望んだ結果の確約」ではなく、「行動が開く展開を限定しない」という読み方をすると理解しやすいところです。
④ 「何があってもポジティブ」は、落ち込んではいけないという意味?
この一文は、受け取り方によっては少し厄介です。「怒ってはいけない」「悲しんだら波動が下がる」「落ち込んだのは私の選択が悪い」。こんな義務に変わる可能性があるからです。
ただ、公式で語られる「ポジティブな状態を選ぶ」は、目の前の嫌な出来事や損失を存在しなかったことにする説明ではありません。たとえば、約束が破られて腹が立ったなら、怒りが現れた事実と、今後その相手とどう関わるかの判断は残ります。
「この出来事を次の選択へどう使うか」という方向で読むこともできる。一方で、ポジティブになれない自分を罰する道具にしてしまうと、もとの教えに新しい苦しさを足すことになりかねません。この点は、バシャールが語った内容を受け取る側にも起こり得ることとして見ておきたいところです。
⑤ 信念体系を調べる――「ワクワクできない」にも前提がある?
公式の5番目には、自分の信念体系(belief systems)を調べることが含まれています。例えば、何かを作ることに興味があるのに「どうせ才能がないから」とやめる。人前で話すことに惹かれるのに「失敗したら恥ずかしい」と引き返す。
そのとき「本当は何に惹かれている?」「それをやめさせている考えは?」と問い直す。バシャールは、こうした信念をワクワクと結びつけて説明します。
ただし、信念を変えれば必ず何でも実現するという意味にまで広げる必要はありません。ここで面白いのは、ある行動に興味があることと、その行動を怖いと判断することが、同時に成り立ち得るという点です。
同じ「ワクワク」でも、行動が変わるのはなぜ?
例えば二人とも「本を作ってみたい」と思ったとします。
- Aさん:「面白そう。まずは一ページだけ書いてみよう」
- Bさん:「面白そう。でも出版できないなら時間の無駄。売れなかったら恥ずかしい」
最初の興味は似ています。でも、そのあとBさんには「結果が保証されなければ始めないほうがいい」「失敗すると自分の価値が下がる」という考えが加わっています。すると同じ興味でも、行動へ進む条件が変わります。
ここでバシャールの公式を思い出すと、「まず今できることをやる」「結果を先に決めつけない」「何を前提にしているか調べる」が別々の役割を持っているとわかります。「ワクワクだけを感じろ」という一言より、ずいぶん立体的です。
「ワクワクすることがない」人はどうすればいい?
何にも夢中になれない日もあります。仕事で疲れている日、家の用事が山積みの日、目の前の選択肢がどれも気乗りしない日。そういうときまで「何かにワクワクしなきゃ」と探し回ると、興味の発見ではなく「正しい気分を出す課題」になってしまいます。
バシャールの公式は、壮大な夢ではなく今できる選択肢から始めるものです。「今日は早く寝たい」「静かな場所に行きたい」「動画より本を読みたい」程度の小さな違いを見ることもできます。選択肢が限られているなら、その条件をそのまま含めて考える。
そして、まったくワクワクしないからといって、そのことだけで人の価値や理解度は決まりません。眠い、疲れた、悲しい、何もしたくない。そんな状態そのものがある日もあります。ここで「ワクワクできない私には問題がある」と追加するかどうかは、別の話です。
バシャールは「現実は自分が作る」とも語る
ワクワクの公式は、もっと大きなバシャールの世界観の一部です。公式の基本原則では、信念・感情・行動と経験の関係や、今ここで選ぶ自由、意識のあり方などが語られています。さらに「創造の5つの法則」には、「存在している」「すべては今ここ」「一なるものと全体」「出したものが返る」「最初の4法則を除いてすべては変化する」といった主張が並びます。
この世界観では、ワクワクは「自分らしい方向を知らせる合図」であり、現実はその人の状態を反映するものとして語られます。だから、バシャールが好きな人にとっては、進路の話と宇宙観の話が別々ではありません。
一方、これらはバシャール自身が提示する世界の見方です。「考え方が変わると行動や経験の受け取り方が変わる」という日常的な観察と、「意識の周波数によって並行現実を移動する」という世界観上の主張は、同じ種類の説明ではありません。違いがわかると、それぞれの言葉をより丁寧に読めます。
バシャールの教えには、どんな限界がある?
ここからは「バシャールが間違っている」という判定ではなく、日常へ持ち帰るときに、どこまでをこの教えで扱えるのかを考えてみます。むしろ、公式の内容を正確に読むほど、見えてくる区別です。
① 自分のワクワクだけでは、相手の意思は決められない
例えば、誰かと一緒に店を開きたいとします。自分はワクワクしていても、相手には別の希望があるかもしれません。自分の興味が強いことは確かでも、その興味から相手の同意までは導けません。
同じように、相手が断った、関係が終わった、契約が成立しなかったという出来事を「自分の波動が合っていないせい」とだけ説明すると、そこにあった相手の選択や条件が見えにくくなります。本人の興味と、他者の権利・責任・境界線は分けておけます。
② 制度・お金・身体の条件は、気分だけではなくならない
今の仕事を離れて創作活動に専念したい。興味もあるし、やってみたい。でも生活費が必要で、家族との調整もいる。そんなとき、「本当にワクワクしていれば何とかなる」とだけ言われたら、どうでしょう。
公式資料は法律や倫理、身体的な条件も行動の可否に関係すると認めています。それなら、貯金を確認する、必要な手続きを調べる、試しに小さく始める、といった現実的な行動も公式の趣旨と矛盾しません。むしろ、興味のある方向に進むために、現実の条件を知ることが必要な場合があります。
病気や喪失、事故、差別、災害などを経験した人に、「その現実を自分で引き寄せたのだから」と一方的に説明することもできません。出来事には本人の選択以外の条件や、他者・社会の責任が関わることがあります。
③ うまくいかなかった結果だけでは、何が原因だったか決まらない
勇気を出して応募したのに不採用だった。好きで始めた活動が赤字になった。ワクワクして連絡したのに返信がなかった。こうした結果が出たとき、「期待に執着したからだ」「隠れたネガティブな信念があるからだ」と言われると、反論しづらいことがあります。
実際には、募集枠の数、競争相手、価格設定、相手の事情、タイミングなど、別の説明もあり得ます。結果から信念の状態を一意に読み取ることはできません。結果が違った理由をいくつか考えられることは、次の選択に役立つはずです。
④ バシャールという存在の由来は、読む人によって受け取り方が違う
チャネリングによって地球外存在からメッセージを受け取っている、というのが紹介されている形式です。ただ、アンカ本人も、その存在を他人に証明する方法はないと説明しています。そのため、バシャールの言葉に興味を持つことと、語られる宇宙の成り立ちまで同じ確かさで受け入れることは、必ずしもセットではありません。
例えば「今日は自分の興味を一つ行動にしてみよう」は試して経験できる提案です。一方、「その感覚はハイヤーマインドから届く信号だ」は、バシャールの枠組みでその経験を説明する言葉です。そこを分けて読めば、面白いところを失わずに、考える余地も持てます。
ワクワクを知ったあと、「ワクワクできない自分」を責め始めたら
少し奇妙な展開を考えてみましょう。ある人が「ワクワクに従う」と知りました。人生が楽しそうになる話だと思って学び始めたのに、しばらくすると、こんなことを気にし始めたとします。
- 「今日、何にもワクワクしなかった。これじゃダメだ」
- 「不安になった。ポジティブな状態を選べていない」
- 「結果が気になる。まだ執着している証拠だ」
- 「嫌なことが起きた。自分の信念が悪いのかもしれない」
最初は興味から始まったのに、いつの間にか「正しくワクワクできている自分かどうか」を検査するようになっています。ワクワクに従うためのルールが、ワクワクを妨げる仕事になっている。ちょっと不思議ですね。
ここはバシャール本人が「ワクワクできない人を責めなさい」と言ったという話ではありません。教えを受け取った人の中で、別の意味づけが生まれることがあるという話です。良い言葉を覚えたあと、その言葉で自分を採点することは、他の自己啓発や思想でも起こり得ます。
例えば「不安が出た」という最初の反応と、「不安になった私はうまくできていない」という次の評価は別です。バシャールの教えの内容を知ることと、その教えに対して自分がどんな反応をしているかに気づくこと。両方を見られると、理解の幅が広がります。
そとがわメソッドから見ると、どこが面白い?
そとがわメソッドでは、私が現実をどう認識し、その中でどんな意味づけや反応が生まれるのか、その仕組みを探究しています。
バシャールの「ワクワクに従う」という教えを知り、その教えを受け取る自分の反応を眺めてみるのも面白いですね。
「何に惹かれたか」「どんな結果を期待したか」「期待どおりでなかったとき、自分に何と言ったか」。その違いに気づくだけでも、同じ言葉が自分の中でどう働いているかが見えてきます。
出来事と意味づけの関係をもう少し詳しく知りたい人は、「引き寄せたい」と思うほど苦しくなるのはなぜ?という記事も参考になります。また、「ポジティブに考えよう」とするほど苦しくなるのはなぜ?では、最初の反応と、その反応を直そうとする反応を分けて紹介しています。
認識と反応の仕組みを、別の角度から眺めてみる
「何をしたいか」を探すとき、「そもそも自分は何を見て、どんな意味をつけているのか」という方向から眺めることもできます。無料講座0時間目では、出来事と意味づけ、一次反応・二次反応が生まれる仕組みを日常例で紹介しています。登録不要でそのまま読めます。
バシャールをもっと知るための公式資料
本記事は、短い切り抜きや二次的な要約だけでなく、バシャール・コミュニケーションズが公開している説明を中心に整理しました。以下は教えをさらにたどるための入口です。
- About Darryl Anka(英語):アンカ本人が語る活動の背景と、バシャールの存在をどう受け取るかについての説明。
- The Follow Your Excitement Formula(英語):公式サイトの5段階の説明。
- The Formula(2015年、英語PDF):3つの主要項目と、行動できる範囲・法律・倫理の条件をまとめた配布資料。
- Bashar’s Basic Principles(英語):存在、信念、意識、現実についての基本原則。
- The Five Laws of Creation(英語):創造についての5つの法則。
- BasharTV(英語):セッション映像をさらに見たい人のための公式配信案内。
公式の「ワクワクの公式」や「創造の法則」は、バシャールが伝える世界観の中に位置づけられています。日常で確かめられる行動の工夫と、世界そのものについての主張を分けて読むと、さらに多くの問いが生まれるでしょう。
よくある質問
関連記事|教えを知ったあと、自分の反応も眺める
「ワクワク」は、何を見せてくれるのだろう
バシャールの話を読むと、ワクワクが自分の人生の方向を示すという発想に出会います。そこで「私は今、何に惹かれるんだろう」と考えてみるのもいいし、「その教えを読んで、なぜ私は焦ったんだろう」と考えてみるのも面白い。
同じ言葉でも、ある人には冒険への入口になり、別の人には新たな課題になる。その違いがどこから生まれるのか。バシャールの教えと、自分の認識の仕組みを行き来すると、そこにも小さな発見がありそうです。
無料講座0時間目では、出来事をどう受け取って反応が生まれるのかを、身近な例から扱っています。気になった人は、そこからのぞいてみてください。

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