AIに性格があるように感じるのはなぜ?|キャラクターと人間の自己認識を比べる

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AIに「優しい性格」があるように見える瞬間

同じ質問をAIにしたとき、一方が「承知しました。要点を整理します」と答え、もう一方が「お、それ面白いねw」と返してきたら、私たちはどちらに親しみを覚えるでしょうか。

ある人は後者を「明るい性格」と呼び、別の人は「馴れ馴れしい」と呼ぶかもしれません。

ところが、この二つは同じAIが、異なる応答方針で話しているだけかもしれないのです。

では私たちが見ている「キャラクター」は、どこにあるのでしょう。

少なくとも、言葉の選び方・文脈・受け取った側の期待から、対話相手の人物像が立ち上がることは考えられます。

ただし、それだけでAIに人間と同じ内面経験があるかどうかはわかりません。

条件をひとつ変えると、印象はどこまで変わる?

A:AIが毎回ていねいに答える。

B:同じ質問に砕けた言葉で答える。

C:最初は丁寧だが、相手の口調に合わせて途中からくだける。

もし「Bは陽気」「Aは堅い」「Cは気が利く」と感じたなら、その印象を作る材料は何だったのでしょう。

文そのもの、会話の流れ、それ以前にAIに抱いていたイメージなどが候補になります。

ここでさらに、あなたが急いでいる場合と、雑談を楽しみたい場合を比べてみましょう。

同じ「いいですね!」でも、前者では余計な一言、後者では心地よい相槌に感じられるかもしれません。

相手が変わらなくても、こちらの条件でキャラクターの印象が変わる可能性があります。

「話し方が一定」と「人格がある」は同じではない

現在の対話AIは、入力された文章、会話の文脈、設定された指示などを踏まえて応答を生成できます。

丁寧・簡潔・冗談好きといった一貫した出力スタイルは設計できます。

でも、それを人間の人格や意識と同じものだと断定するには別の証拠が必要です。

人間の人格についても、複数の状況にまたがる傾向や社会的な自己認識が関係しますが、AIのキャラクターとの仕組みが完全に一致すると実証されているわけではありません。

また「AIには絶対に主観的経験がない」と、ここで証明済みの事実として言うこともできません。

この問題には科学・哲学の未解決な論点が残ります。

この記事で確実に観察できるのは、人間がAIの応答に対して性格を読み取るという側面です。

人間の「私はこういう人」も、少し似た構造を持つ

「私は人見知りです」

そう言っている人が、親しい友達の前では何時間でもしゃべっていたら、どちらが本当の性格でしょう。

人見知りという説明は、初対面で緊張しやすい経験のまとめとして便利です。

一方で、それがすべての場面に適用される絶対的な事実だとは限りません。

職場では無口、趣味の集まりでは饒舌、家では話しかけられたくない。ひとりの人の中にも複数の姿があります。

「性格」というラベルが嘘なのではなく、どんな場面を切り取って、どんな名前を付けたかに注目できるのです。「私はこういう人間だから」は本当に性格?では、この自己像の作られ方を詳しく扱っています。

AIを相手にしているとき、私たちは何に反応している?

AIが「素晴らしい発想です」と言ったら嬉しいかもしれません。

「その説明には根拠がありません」と言われると、腹が立つこともあるでしょう。

もし相手が機械だとわかっていても、感情が動くなら面白い現象です。

「褒められた」「否定された」という意味を経験するのに、相手の内面の状態が必ずしも確定している必要はない、ということになります。

逆に、AIの出力を無条件で信頼してよいという意味でもありません。

誤った情報を出す可能性がありますし、機密情報の取り扱いにも注意が必要です。

人は相手の言葉を見て意味を受け取り、反応します。

その反応を見てまた「こんなことで嬉しくなるなんて」と判断することもあります。

そとがわメソッドでは、最初の反応と、その反応への反応を区別して眺めます。

AIとの会話は、この仕組みが見えやすい身近な観察対象かもしれません。

キャラクターを信じる前に、観察できること

ここまでの例で確かめられるのは、AIの文章が人の印象を形づくること、そして私たちが「相手らしさ」を読み取っていることです。

AIの意識の有無について結論が出たわけではありません。

誰かについて「優しい人」「冷たい人」と感じたときも、すぐにラベルを消す必要はありません。

ただ、何を見てその人をそう呼んだのか、その場ではどんな期待があったのか、と振り返ってみる。

そこから人間の認識はずっと興味深いものになります。

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よくある質問

AIの返信に嬉しくなったら、おかしいですか?

おかしいとは言えません。言葉に意味を感じ、反応することは対話の中で自然に起こり得ます。返信が正しいかどうかの検証とは別です。

AIに本当の性格や意識があるのですか?

会話上の一貫したスタイルは作れますが、それだけで人間と同じ人格や主観的経験があることは証明できません。

人間の性格も全部作り物ということですか?

そうではありません。行動の傾向はあり得ます。ただ、場面によって表れ方が異なることと、一つのラベルが人全体を説明し尽くすことは別です。

AIは人に合わせて嘘をつくのですか?

出力が誤っていたり、相手に同調する応答になる場合はありますが、それを人間の「嘘をつく」という意図と同じ意味で扱うには慎重さが必要です。

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この記事を書いた人

そとがわメソッド開発者。心理学・自己啓発・潜在意識などを学んでも自己否定が終わらなかった自身の経験から、「自分を変える前に、何が起きているのかを見る」そとがわメソッドを開発。著書『自分を否定しない練習』。
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