数秘術とは?誕生日や名前の数字に意味が生まれるのはなぜ?

あなたの誕生日は、何月何日ですか?

もちろん、生まれた年もありますよね。

では、その数字を全部足してみたことはあるでしょうか。

例えば、1990年4月25日。

一定の規則で計算すると、「3」という数字が出てきます。

そして数秘術では、この「3」に「表現力」「創造性」「人との交流」といった意味を与えることがあります。

……ちょっと不思議ですよね(笑)。

数字を足したら「3」になる。

そこまではわかります。

でも、どうして足し算の結果が、その人の性格や人生を表していることになるのでしょうか?

そもそも、「3は創造性」という意味は、誰が決めたのでしょう。

それに、同じ「3」になる人が何人もいたら、全員が同じ性格ということになるのでしょうか。

今回は、数秘術の計算方法や数字の意味、古代ギリシャのピタゴラスとの関係、現代の数秘術の歴史を紹介します。

そして、数字に意味が付けられたとき、私たちの中で何が起きているのか。

そとがわメソッドの視点からも考えてみましょう。

目次

数秘術とは?数字に象徴的な意味を与える占術

数秘術(すうひじゅつ)とは、数字に象徴的な意味を与え、それを使って人の性質や人生の傾向などを読み解く占術です。

英語では「Numerology(ヌメロロジー)」と呼ばれています。

現代の西洋数秘術では、生年月日や名前を使う方法がよく知られています。

例えば、誕生日から数字を計算する。

名前のアルファベットを数字に置き換える。

その数字を、一定の規則で1〜9などにまとめる。

そして、求められた数字に割り当てられている意味を読み解く。

という流れです。

数秘術にはさまざまな体系があり、すべての流派が同じ計算方法や解釈を採用しているわけではありません。

でも、基本的な仕組みを知ることはできます。

ここで、最初に一つだけ区別しておきたいことがあります。

数字を計算することと、計算結果に性格や人生についての意味を与えることは、別です。

例えば、

1+2=3

これは数学的な計算です。

でも、

「3だから、あなたは創造的です」

という説明は、計算式から自動的に導かれるものではありません。

「3には創造性という意味がある」という数秘術の解釈が、そこに加わっています。

では、実際に計算してみましょう。

誕生日から数字を出す方法|ライフパスナンバーとは?

現代西洋数秘術でよく使われる数字の一つに、「ライフパスナンバー」があります。

生年月日から求める数字で、その人の人生の傾向や基本的な性質を読むために使われます。

日本語では「運命数」と呼ばれることもあります。

ただし、名称や計算方法には流派による違いがあります。

今回は、年・月・日をそれぞれ計算してから合計する方式を紹介します。

1990年4月25日生まれの場合

<escape>① 生まれた年を計算する</escape>

1990年

1+9+9+0=19

1+9=10

1+0=1

年の数字は「1」です。

<escape>② 生まれた月を計算する</escape>

4月なので「4」です。

<escape>③ 生まれた日を計算する</escape>

25日

2+5=7

日の数字は「7」です。

<escape>④ 三つの数字を合計する</escape>

1+4+7=12

1+2=3

この方式では、1990年4月25日生まれのライフパスナンバーは「3」になります。

計算自体は、それほど難しくありませんね。

ただし、11・22・33などを途中で残す方式もあり、計算の取り決めによって結果が変わる場合があります。

参考:Numerology.com「Life Path Number」

同じ「3」になる誕生日は、ほかにもある?

例えば、1991年4月24日生まれの場合を考えてみましょう。

1991年は、

1+9+9+1=20

2+0=2

4月は「4」。

24日は、

2+4=6

これらを合計すると、

2+4+6=12

1+2=3

こちらも「3」になります。

つまり、

1990年4月25日生まれの人も、

1991年4月24日生まれの人も、

この方式では同じ「3」になるのです。

でも、二人は別の人間ですよね。

では、同じ数字になった二人は、性格まで同じなのでしょうか。

その疑問を考えるために、次は数字に与えられている意味を見ていきましょう。

数秘術では、1〜9の数字にどんな意味があるの?

現代西洋数秘術では、1〜9の数字に、それぞれ象徴的な意味を与えることがあります。

代表的な解釈例は、次のようなものです。

数字象徴的な意味の例
1独立・始まり・主体性
2協調・調和・受容
3表現・創造性・交流
4安定・秩序・継続
5自由・変化・柔軟性
6愛情・責任・保護
7探究・内省・分析
8達成・力・実行
9寛容・完成・奉仕

※現代西洋数秘術における代表的な意味の例です。流派や実践者によって解釈は異なります。

例えば、数字が「3」なら、

「創造性が豊か」

「表現することが得意」

「人との交流を楽しむ」

といった特徴を読み解くことがあります。

でも、ここで一つ疑問が生まれます。

どうして「3」が創造性なのでしょう?

数字の「3」をよく観察すると、創造性という性質が見えてくるのでしょうか。

もちろん、そういうことではありません。

数学では、3は奇数であり、素数でもあります。

1より大きく、2の次にある自然数です。

こうした性質は、数学的に説明できます。

一方、「創造性」「表現力」といった意味は、数秘術の思想や解釈の体系に属するものです。

つまり、数字の数学的な性質と、数字に割り当てられた象徴的な意味は、別なのです。

同じ数字でも、何を説明するために使っているかによって、扱いが変わるわけですね。

では、どうして人間は、数字に象徴的な意味を与えるようになったのでしょうか。

数秘術はピタゴラスが作ったの?古代の思想と現代の占術の違い

数秘術について調べると、「ピタゴラス数秘術」という言葉に出会います。

ピタゴラス。

学校の数学で、聞いたことがありませんか?

そうです。

あの「ピタゴラスの定理」の名前でも知られる、古代ギリシャの思想家です。

ピタゴラスは、紀元前6世紀ごろに活動した人物です。

そして、ピタゴラス派と呼ばれる人々は、数や数の関係を非常に重要なものとして考えていました。

例えば、音楽。

音の高さや音程には、数の比率と関係するものがあります。

古代ギリシャでは、そうした数と音楽との関係も重要な研究対象でした。

私たちにとって、数は物の個数を数えたり、お金を計算したりするための道具です。

でも、古代の思想家たちにとっては、それだけではありませんでした。

数を通して、世界そのものの秩序や構造を理解しようとしていたのです。

そう考えると、ピタゴラス派が数を特別に重視していたことも、少しイメージしやすくなりますね。

ピタゴラスは、誕生日占いもしていたの?

さて、ここが大切なところです。

ピタゴラス派が数に重要な意味を見いだしていたことと、現代の数秘術がそのまま同じものであることは、別です。

例えば、現在よく見られるような、

生年月日の数字を足して、

1〜9などの数字にまとめて、

性格や人生の傾向を読み解く。

という方法が、ピタゴラス本人によって完成されていたと確認されているわけではありません。

そもそも、ピタゴラス自身の著作は残っていません。

ピタゴラスについて伝えられている話の中には、後世の人々によって付け加えられたと考えられるものもあります。

スタンフォード哲学百科事典でも、ピタゴラス本人の思想と、後のピタゴラス派や新ピタゴラス派の思想を区別して検討しています。

つまり、

「現代の数秘術には、古代の数の思想との関係が語られている」

ということと、

「現代の計算方法をピタゴラス本人が作った」

ということは、同じではないのです。

歴史って面白いですよね。

有名な人の名前が付いているからといって、その人が現在の仕組みを全部作ったとは限らないのですから(笑)。

参考:

現代の数秘術は、どのように広がったの?

では、現在知られているような数秘術は、どうやって広がってきたのでしょう。

ここで、興味深い人物が登場します。

L・ダウ・バリエット(L. Dow Balliett)です。

バリエットは、20世紀初めに、数字と音、色、名前などを結びつける著作を発表した人物です。

1908年には、『The Philosophy of Numbers: Their Tone and Colors』という本を出版しています。

日本語にすると、「数字の哲学――その音と色」といった意味です。

数字に、音と色?

なんだか、不思議な組み合わせですよね(笑)。

でも、このタイトルからも、数字を単なる計算の道具としてではなく、象徴的な意味を持つものとして捉えようとする思想がうかがえます。

この本は、アメリカ議会図書館の所蔵資料として、現在も確認できます。

古代ギリシャのピタゴラスと、20世紀初めのバリエット。

その間には、とても長い時間があります。

つまり、現代の数秘術を理解するには、古代ギリシャの思想だけでなく、さまざまな時代の象徴思想や近代の著作も見る必要があります。

最初から完成した一つの方式が、何千年も変わらず受け継がれてきたというわけではないのです。

参考:アメリカ議会図書館『The Philosophy of Numbers』1908年版

名前を数字に変えるのはどういう仕組み?

さて、ここまでは誕生日から数字を求める方法を見てきました。

でも、数秘術では、名前を数字に変える方法もあります。

……名前を数字に?

ちょっと不思議ですよね。

例えば、現代のピタゴラス式と呼ばれる方法では、アルファベットに次のような数字を割り当てます。

数字対応するアルファベット
1A・J・S
2B・K・T
3C・L・U
4D・M・V
5E・N・W
6F・O・X
7G・P・Y
8H・Q・Z
9I・R

こうして見ると、アルファベットを一定の規則で数字に変えていることがわかります。

「MARI」という名前を計算してみる

例えば「MARI」という名前を使ってみましょう。

M=4

A=1

R=9

I=9

合計すると、

4+1+9+9=23

さらに、

2+3=5

この方式では、「MARI」という文字列から「5」という数字が出てきます。

そして数秘術では、その「5」に割り当てられている意味から、性格や性質などを解釈することがあります。

ここまでは、手順がわかれば誰でも計算できますよね。

でも、もう一つ面白い問題があります。

日本語の名前は、どうやってアルファベットにするの?

例えば、日本語の名前には、長く伸ばす音があります。

「たろう」という名前なら、ローマ字の書き方として「TARO」や「TAROU」などが考えられます。

数秘術でアルファベットを数字に変える場合、この違いはどうなるのでしょうか。

先ほどの表を使って、計算してみましょう。

TAROの場合

T=2

A=1

R=9

O=6

2+1+9+6=18

1+8=9

結果は「9」です。

TAROUの場合

T=2

A=1

R=9

O=6

U=3

2+1+9+6+3=21

2+1=3

結果は「3」です。

……あれ?

同じ名前のつもりなのに、数字が変わってしまいました(笑)。

もちろん、数秘術の実践では、正式な表記の決め方や採用する規則が設けられている場合があります。

でも、ここからわかることがあります。

名前を数字に変えるには、最初に「どの文字列を使うのか」という取り決めが必要なのです。

名前そのものから、何の規則もなく数字が自然に現れるわけではありません。

どの文字を使うか。

どの数字を割り当てるか。

どこで足し算を止めるか。

その規則によって、結果が決まるのです。

これは数秘術を理解するうえで、かなり大切なポイントです。

数秘術には流派がある?数字の意味はどれも同じ?

数秘術には、さまざまな流派や方式があります。

例えば、現在よく知られている西洋数秘術には、ピタゴラス式と呼ばれる方法があります。

一方、カルデア式と呼ばれる方法では、文字と数字の対応関係が異なります。

さらに、ユダヤ教の神秘思想などに関わる「ゲマトリア」という伝統もあります。

ゲマトリアは、文字に数値を対応させ、言葉や文章を解釈する方法です。

ただし、これらを全部まとめて、「古代から同じ数秘術が続いている」と考えることはできません。

それぞれ、歴史的な背景や用いる文字、計算の規則、解釈の方法が異なります。

つまり、

「私の数字は5です!」

と言われても、

「どの方式で出した5なの?」

という確認が必要になる場合があるのです。

同じ「数秘術」という言葉を使っていても、必ずしも同じものを指しているとは限りません。

こういうところも、人間の認識の面白いところですね。

名前が同じだから、中身も同じだと思ってしまう。

でも、調べてみると、実は違うものだったりします。

マスターナンバーとは?なぜ11・22・33だけ特別なの?

現代の西洋数秘術では、「マスターナンバー」という言葉を見かけることがあります。

一般的には、11・22・33などを特別な数字として扱います。

例えば、普通に数字を足して一桁にするなら、

11 → 1+1=2

22 → 2+2=4

33 → 3+3=6

となります。

でも、ある数秘術の方式では、11・22・33を途中で一桁にせず、そのまま残します。

では、なぜ残すのでしょうか。

それは、その方式の中で、11・22・33に特別な象徴的意味が割り当てられているからです。

例えば、

「11には特別な意味があるので、ここでは2にしない」

という規則になっているわけです。

もちろん、流派によって扱うマスターナンバーや計算の方法は異なる場合があります。

ここで、少し面白いことがあります。

数学では、

1+1=2

です。

これは変わりません。

でも、数秘術では、

「この11は、ここでは一桁にしない」

という別の取り決めが加わります。

つまり、計算の結果が違って見えるのは、数学の規則が変わったからではなく、占術としての取り決めが違うからなのです。

そして、その数字が特別だとされる理由も、数秘術の体系の中で与えられているものです。

数字の11そのものが、人間の性格について特別な力を持っていると科学的に確立されているわけではありません。

ただし、ある数字を特別なものとして扱う文化や思想があること自体は、歴史や人間の認識を考えるうえで興味深いところです。

数字が同じ人は、性格も同じなの?

さて、最初の疑問に戻りましょう。

1990年4月25日生まれの人。

1991年4月24日生まれの人。

先ほどの方式では、どちらもライフパスナンバーは「3」でした。

数秘術では、その数字に「表現力」や「創造性」といった意味を与えることがあります。

では、この二人は同じ性格なのでしょうか。

生まれた場所も違う。

育った環境も違う。

経験してきた出来事も違う。

好きなものや嫌いなものも違うかもしれません。

それでも、誕生日の数字を特定の規則で計算した結果は、同じ「3」になります。

これは、分類の仕組みとして考えれば、不思議ではありません。

生年月日という情報の一部を、一定の規則によって分類しているからです。

でも、同じ分類に入ったことと、その人たちが同じ性格であることは、別の話です。

例えば、血液型が同じ人も、性格まで全部同じではありませんよね。

同じ星座の人も、全員が同じように行動するわけではありません。

同じ数字になったからといって、その人のすべてが同じということにはならないのです。

では、なぜ人は、数字による性格の説明に納得することがあるのでしょうか。

ここから、もう一つ面白いことが見えてきます。

「あなたは創造的です」と言われたら、どう感じる?

例えば、数秘術であなたの数字が「3」になったとします。

そして、

「3の人は、創造性や表現力があります」

と言われたとします。

どう感じるでしょうか。

「確かに、絵を描くのが好きだな」

「文章を書くのは得意かもしれない」

「新しいものを考えるのは楽しいな」

と思うかもしれません。

一方で、

「えー、私はそんなに創造的じゃないけどな」

と思う人もいるでしょう。

でも、ここでちょっと考えてみてください。

数字の3は、何か変わったのでしょうか?

変わっていませんよね。

説明された文章も、同じです。

でも、その説明をどう受け取るかによって、思い浮かべる経験や感じることが変わります。

ここでは、いくつかのことが起きています。

最初に、数字を計算しました。

次に、その数字についての説明を読みました。

そして、自分の過去の経験と照らし合わせました。

その結果、

「当たっている!」

と思うこともあります。

あるいは、

「当たっていない」

と思うこともあります。

つまり、数字が出たことと、その数字の説明を自分に当てはまると感じることの間には、別の過程があるのです。

占いが当たっていると感じるのはなぜ?バーナム効果との関係

心理学では、占いが当たっていると感じられる理由についても研究されています。

その一つが、「バーナム効果」です。

これは、多くの人に当てはまり得る一般的な説明を、自分自身に特別によく当てはまるものとして感じる現象です。

例えば、

「あなたは人とのつながりを大切にしますが、一人の時間も必要としています」

と言われたらどうでしょう。

「確かに!」

と思う人もいるかもしれません。

でも、人と過ごす時間も一人の時間も大切にする人は、珍しくありません。

また、

「あなたは新しいことに興味がありますが、失敗することには慎重です」

と言われても、当てはまると感じる人はいるでしょう。

ここで重要なのは、占いの説明を読んだ人が、どんな経験を思い浮かべているかということです。

日本心理学会でも、占いが当たっているように感じられる理由として、一般的な説明が自分に当てはまると感じられることや、偶然の一致を特別に受け取ることなどが紹介されています。

ただし、占いに納得した人が全員、同じ理由で納得しているというわけではありません。

実際の体験や、その人が持つ知識、もともとの信念などによって、受け取り方は異なるでしょう。

参考:日本心理学会「占いが当たっているように感じるのはなぜ?」

それでも、ここには面白いことがあります。

自分の性格を説明されたとき、人間はその説明に合う経験を探すことがあるのです。

「創造的」と言われれば、創造的だった経験を思い出す。

「慎重」と言われれば、慎重に行動した経験を思い出す。

そして、「やっぱり私はそういう人なんだ」と納得することがある。

では、そのとき、自分の中では何が起きているのでしょうか。

そとがわメソッドから見る「数字に意味が加わる瞬間」

ここからは、数秘術そのものの説明とは分けて、そとがわメソッドの視点から考えてみましょう。

例えば、あなたが数秘術で「4」になったとします。

そして、

「4は安定や継続を大切にする数字です」

と説明されたとします。

さて、どう感じるでしょうか。

「確かに、私はコツコツ続けることが得意だな」

と納得する人もいるかもしれません。

「私は変化が苦手だから、そういうことかな」

と思う人もいるでしょう。

一方で、

「えー、私は飽きっぽいけどな」

と思う人もいるかもしれません。

同じ「4」。

同じ説明。

でも、人によって反応が違います。

では、何が違うのでしょうか。

そとがわメソッドでは、まず出来事と、そこに付けられた意味を分けて考えます。

出来事と意味づけを分けてみる

例えば、

「数秘術で4という数字が出て、その説明を読んだ」

ということがありました。

これは、出来事です。

そこに、

「これは私の本当の性格を表しているのかもしれない」

という意味が加わったとします。

すると、嬉しくなったり、安心したりすることがあるでしょう。

反対に、

「私は4らしくないから、何かが間違っているのかな」

と不安になるかもしれません。

つまり、同じ数字と説明を見ても、そこにどんな意味が加わるかによって、反応は変わり得るのです。

一次反応と二次反応はどう生まれる?

さらに、もう一つ考えてみましょう。

「4は安定を大切にする数字です」

と言われました。

そのとき、

「私はそんなに安定した人じゃないな」

と思ったとします。

ここまでは、説明を聞いたことに対する反応です。

でも、さらに、

「私は4なのに、安定した行動ができていない」

「もっと堅実に生きないといけないのかな」

「自分らしく生きられていないのかもしれない」

と思い始めたとします。

さて、何が起きているのでしょう。

最初は、ただ数字についての説明を聞いただけでした。

ところが、いつの間にか、

「私は数字の4らしく生きなければならない」

という条件が生まれているかもしれません。

そして、その条件に合っていない自分を、問題として感じ始めているのかもしれません。

ここでは、最初の説明に対する反応だけでなく、その反応や自分の行動に対する評価が重なることがあります。

そとがわメソッドでは、こうしたものを一次反応・二次反応という観察点から分けて見ることができます。

ただし、すべての人に同じ順序で反応が生まれると決めつけるわけではありません。

実際に何が起きているかは、その人によって違います。

大切なのは、出来事と、そこから生まれた意味や反応を一緒にしてしまわないことです。

「私はこういう人間だから」は、いつ決まったの?

ここで、もう一つ面白いことがあります。

数秘術で、

「あなたは自由を大切にする人です」

と言われたとします。

そのとき、

「そうか、私は自由を大切にする人間なんだ」

と思うかもしれません。

そして、その後、何かを選ぶ場面で、

「私は自由を大切にするタイプだから、こっちを選ぼう」

と考えることもあるでしょう。

さて、ここで何が起きているのでしょうか。

最初は、自分の性格についての説明を受け取っただけでした。

でも、その説明が、今度は自分の行動を決める理由になっているかもしれません。

「私はこういう人間だ」という説明が、次の行動の基準になることがあるのです。

例えば、

「私は慎重なタイプだから」

「私は人見知りだから」

「私はリーダーには向いていないから」

そんなふうに考えることがあります。

もちろん、自分についての理解が役に立つこともあるでしょう。

でも、ここで問いを向けてみます。

その説明は、いつから自分を表すものになったのでしょうか。

本当に、いつでもそうなのでしょうか。

ある場面では慎重でも、別の場面では大胆に行動することもあるかもしれません。

知らない人の前では緊張しても、仲の良い人とはよく話すかもしれません。

それでも、「私は人見知りだ」という一つの説明で、自分のすべてを捉えていることもあります。

そとがわメソッドでは、こうした自己イメージがどのように作られ、必要になっているのかも観察できます。

→ 「私はこういう人間だから」は本当に性格?自己イメージが作られる仕組み

その数字の説明は、なぜ自分にとって重要なの?

では、さらにもう一つ考えてみましょう。

数秘術で、

「あなたには特別な才能があります」

と言われたとします。

嬉しいですよね。

でも、その嬉しさは、どこから生まれたのでしょう。

自分に才能があると感じられて安心したから?

誰かに認めてもらえたように感じたから?

これからの人生に希望が持てたから?

あるいは、

「私は普通の人とは違う」

と感じられたからかもしれません。

どんな意味が加わったのかは、人によって違います。

では、反対に、

「あなたには困難が多い人生が待っています」

と言われたとします。

今度は、不安になるかもしれません。

でも、ここでも確認してみましょう。

その言葉を聞いたことで、実際の未来が変わったのでしょうか?

まだ、その未来が起きたわけではありませんよね。

それでも、今、不安になることがあります。

未来についての説明を受け取り、そこに意味を付けたことで、今の体感が変わる場合があるのです。

ここで、そとがわメソッドでは、もう一つ問いを向けることができます。

なぜ、その説明が自分にとって重要なのでしょう。

何を知りたかったのでしょう。

どんな危険を避けたかったのでしょう。

何を確認する必要があったのでしょうか。

例えば、将来に不安がある人なら、

「大丈夫だと確認したい」

という必要があるのかもしれません。

自分に自信が持てない人なら、

「私にも価値があると知りたい」

という必要があるのかもしれません。

実際には、どんな理由が関わっているのかを一つに決めることはできません。

でも、その仕組みを観察することはできます。

数秘術が正しいか間違っているかという話だけではなく、その説明を聞いている人間の中で、何が起きているのかを見ることもできるのです。

数字自体は変わっていないのに、感じ方が変わる?

ここで、もう少し身近な例を考えてみましょう。

あなたがホテルに泊まることになったとします。

部屋番号は「404」です。

特に何も感じない人もいるでしょう。

でも、

「4って、なんとなく縁起が悪い気がする」

と思う人もいるかもしれません。

一方で、

「4は安定の象徴なんだって」

と聞いたら、少し違う印象を持つかもしれません。

さて、ここで何が変わったのでしょう。

部屋番号は、ずっと404のままです。

でも、その数字について受け取った説明によって、感じ方が変わることがあります。

「不吉な数字」

「安定を表す数字」

「ただの部屋番号」

同じ数字に、いろいろな意味が生まれています。

もちろん、それぞれの意味には文化や歴史的な背景があります。

それ自体が興味深いことです。

でも、ここで注目したいのは、数字が変わらなくても、それを見ている人の反応が変わる場合があるということです。

数字そのものと、数字に付けられた意味は同じではありません。

そして、私たちは、数字に付けた意味にも反応することがあるのです。

考えてみれば、数字だけでなく、言葉や表情、出来事についても、同じようなことが起きていますよね。

数秘術と西洋占星術・四柱推命は何が違う?

さて、ここまで数秘術について見てきました。

では、ほかの占術とは、どこが違うのでしょうか。

例えば、西洋占星術。

そして、四柱推命。

どちらも、人の性質や人生の傾向などを読み解くために使われています。

でも、使っている情報や計算・分類の仕組みは異なります。

比較する点数秘術西洋占星術四柱推命
主に使う情報生年月日・名前出生日時・出生地生年月日時
主な記号数字天体・サイン・ハウスなど干支・陰陽五行など
計算・分類数字を合計し、規則に従ってまとめる天体配置を求める暦の規則に従って干支に置き換える
解釈の中心数字の象徴的意味天体配置の象徴的意味干支や五行などの関係

※各占術にもさまざまな流派や方式があります。

こうして比較すると、面白いことがあります。

どれも、同じ人間について説明しようとしているのです。

でも、使っている情報や分類の規則は違います。

数秘術では数字。

西洋占星術では天体の配置。

四柱推命では干支や陰陽五行。

それぞれの体系によって、違う説明が生まれます。

では、その人自身は、どの説明を聞いたときに「自分らしい」と感じるのでしょうか。

そして、その理由は何でしょう。

そう考えると、占術の違いを知るだけでも、人間が自分自身をどのように理解しているのかについて、いろいろな疑問が生まれてきます。

よくある質問

Q. 数秘術とは、簡単にいうと何ですか?

数秘術とは、数字に象徴的な意味を与え、生年月日や名前などを数字に置き換えて、人の性質や人生の傾向などを読み解く占術です。

Q. ライフパスナンバーは、どうやって計算しますか?

現代西洋数秘術の一部では、誕生年・月・日をそれぞれ計算し、結果を合計して求めます。

ただし、11・22・33などを途中で残すかどうかを含め、流派によって取り決めが異なる場合があります。

Q. 数秘術は、ピタゴラスが作ったのですか?

現代西洋数秘術には、古代ギリシャのピタゴラス派の数の思想と結びつけられる説明があります。

しかし、現在使われている生年月日や名前を数字に置き換える方法が、そのままピタゴラス本人によって作られたと確認されているわけではありません。

Q. 数秘術の11・22・33には、特別な意味があるのですか?

現代西洋数秘術の一部では、11・22・33をマスターナンバーと呼び、特別な象徴的意味を与えています。

これは占術の体系内での取り決めであり、数学や自然科学が性格上の特別な意味を証明したものではありません。

Q. 名前のローマ字表記が違うと、数字も変わりますか?

採用する文字列が違えば、計算結果も変わる可能性があります。

そのため、どの表記を使うかについて、流派や実践者が規則を設けている場合があります。

Q. 数秘術で、性格や運命は科学的にわかりますか?

生年月日や名前から数字を求める計算は確認できます。

ただし、その結果から人の性格や運命を正確に予測できることが、科学的に確立されているわけではありません。

計算と占術的な解釈は、分けて考える必要があります。

Q. そとがわメソッドでは、数秘術を否定しているのですか?

そとがわメソッドでは、数秘術を信じるか否定するかという二択だけで考える必要はありません。

数秘術の説明を聞いたとき、自分の中でどんな意味が生まれ、なぜその反応が必要になったのかを観察します。

数秘術の仕組みを知ることと、自分の認識の仕組みを知ることは、別の面白さがあるのです。

参考資料

関連記事

まとめ|数字は同じでも、そこに生まれる意味は一つとは限らない

数秘術では、生年月日や名前から数字を求め、その数字に象徴的な意味を与えます。

計算には一定の規則があります。

そして、その規則や数字の意味は、長い歴史の中で、さまざまな思想や流派によって形作られてきました。

でも、ここで考えてみたいことがあります。

数字を計算したこと。

その数字に意味が与えられていること。

そして、その数字が自分に当てはまると感じること。

この三つは、同じではありません。

例えば、数秘術で「3」になったとします。

「創造性があります」と説明されました。

そのとき、

「確かに!」

と思ったとしても、

「全然違う!」

と思ったとしても、

数字そのものは変わっていません。

でも、その説明を聞いた人の中では、いろいろなことが起きています。

過去の経験を思い出したり。

自分についての評価が変わったり。

これからの行動について考えたり。

ときには、新しい不安や期待が生まれることもあるでしょう。

そとがわメソッドでは、こうした認識と反応の仕組みを観察します。

何かを見たとき。

何かを聞いたとき。

何かを知ったとき。

私たちは、そこにどんな意味を付けているのでしょうか。

そして、その意味によって、どんな反応が生まれているのでしょう。

なぜ、その反応が必要になったのでしょうか。

数秘術は数字についての占術ですが、そこから、人間の認識についてもいろいろな発見ができます。

数字を見ているつもりが、実はその数字を受け取っている人間の方が面白かった。

そんなこともあるかもしれませんね(笑)。

人間の認識と反応の仕組みを、もっと知りたい方へ

「どうして、人によって同じ出来事の受け取り方が違うんだろう?」

「なぜ、自分についての説明を聞くと安心したり、不安になったりするんだろう?」

「自分はこういう人間だと、いつから思っていたんだろう?」

そんな疑問を感じたことはありませんか?

そとがわメソッドでは、出来事と色づけ、一次反応・二次反応、防衛反応が必要になる仕組みなどを、日常の具体例から順番に見ていきます。

何かを無理に信じるためでも、考え方を正しく変えるためでもありません。

私たちが、どんなふうに世界を受け取り、そこにどんな意味を付けているのかを知るためです。

同じ数字が、人によって違う意味を持つように、同じ出来事も、受け取る人によって違うものになります。

では、その違いは、どのように生まれるのでしょうか。

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自分自身の認識の仕組みを、ちょっと覗いてみませんか?

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そとがわメソッド開発者。心理学・自己啓発・潜在意識などを学んでも自己否定が終わらなかった自身の経験から、「自分を変える前に、何が起きているのかを見る」そとがわメソッドを開発。著書『自分を否定しない練習』。
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