反応をなくそうとするほど、反応を見張ってしまう
考えすぎをやめたい。
不安をなくしたい。
同じことを繰り返すのをやめたい。
自分責めをやめたい。
もっと安心できる自分になりたい。
そう思うことは、悪いことではありません。
でも、変わろうとしているのに、なぜか余計に苦しくなってしまうことがあります。
この時間では、変わりたい気持ちを否定するのではなく、
「変わろうとすると苦しくなるとき、自分の中で何が起きているのか」
を見ていきます。
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変わりたいのに、変われない自分ばかり見つけてしまう
たとえば、
不安をなくそうとしているのに、不安ばかり気になってしまう。
考えすぎをやめたいのに、また考えている自分を確認してしまう。
自分責めをやめたいのに、責めてしまった自分まで責めてしまう。
もう繰り返したくないのに、また同じことをしていないか確認してしまう。
変わりたいと思っているのに、変われない自分ばかり見つけてしまう。
そして、
「まだ変われていない」
「また同じことをしている」
「こんな自分ではダメだ」
と、苦しくなってしまうことがあります。
変わりたい気持ちは、悪いものではない
まず大切なのは、
変わりたいと思うこと自体は悪いことではない、ということです。
楽になりたい。
安心したい。
同じ苦しさを繰り返したくない。
自分を責める毎日から抜けたい。
もっと自分らしく生きたい。
そう思うのは、とても自然なことです。
「このままでは嫌だ」と思うことで、学んだり、行動したり、工夫したりできることもあります。
だから、変わりたい気持ちを消す必要はありません。
大切なのは、
その「変わりたい」が、どんな前提から出ているのかを見ることです。
「この自分ではダメ」を前提にしていないか
変わろうとすると苦しくなるとき、その奥にはこんな前提があることがあります。
「この自分ではダメ」
「早く変わらなきゃ」
「この反応をなくさなきゃ」
「不安になる自分はダメ」
「考えすぎる自分はダメ」
「責めてしまう自分はダメ」
「繰り返してしまう自分はダメ」
こうした前提で変わろうとすると、
変わるための努力が、
今の自分を否定する方向に向かってしまうことがあります。
つまり、
変わりたい気持ちそのものが苦しいのではありません。
「この自分ではダメ」
という前提で変わろうとすることが、苦しさにつながることがあるんです。
「なくそう」とすると、反応を見張ってしまう
「この自分ではダメ」という前提が強くなると、反応をなくすことに意識が向きやすくなります。
不安をなくそう。
考えすぎをやめよう。
自分責めを消そう。
繰り返しを止めよう。
そう思うほど、
その反応が出ているかどうかを、ずっと見張ってしまうことがあります。
「まだ不安がある」
「また考えている」
「また責めている」
「また繰り返した」
「まだ変われていない」
反応をなくしたいはずなのに、反応が出ているかどうかを何度も確認してしまう。
その結果、
反応を消そうとしているのに、
反応を強く見つめ続けてしまうことがあります。
変わろうとするほど、「変われない自分」を確認してしまう
変わろうとしているのに苦しくなるとき、こんな流れが起きることがあります。
まず、
「変わらなきゃ」
と思う。
次に、
変われているかどうかを確認する。
そして少しでも反応が出ると、
「まだ変われていない」
と感じる。
また不安になった。
また考えてしまった。
また自分を責めた。
また確認してしまった。
すると、
「やっぱり私はダメだ」
と責めてしまう。
変わろうとしているのに、
変われない自分を何度も確認してしまう。
これが、苦しくなる流れのひとつです。
反応を敵にすると、さらに苦しくなる
不安を敵にする。
考えすぎを敵にする。
自分責めを敵にする。
繰り返してしまう行動を敵にする。
すると、反応が出るたびに、自分の中で戦いが始まります。
「出てこないで」
「消えて」
「なくなって」
「早く変わって」
「まだ出てくるなんてダメ」
でも、これまで見てきたように、反応にはそうなる流れがあります。
身体が反応していた。
不安や怖さが出ていた。
「こうした方が安全かも」と感じていた。
原因を探して対処しようとしていた。
その反応を敵にしてしまうと、
自分の中で起きていた流れまで否定してしまうことがあります。
だから、
反応をなくそうとする前に、
まず反応として見ることが大切になります。
反応をなくす前に、反応として見る
不安をなくす前に、
「今、不安が出ているんだな」
と見る。
考えすぎを止める前に、
「今、確認する反応が出ているんだな」
と見る。
繰り返しを責める前に、
「今、いつもの反応が行動に出ているんだな」
と見る。
自分責めをやめる前に、
「今、自分を責める反応が出ているんだな」
と見る。
なくす前に、見る。
変える前に、気づく。
ここが、これまでの講座でずっと大切にしてきたことです。
「見る」は、あきらめることではない
ここで誤解してほしくないのは、
「見る」というのは、あきらめることではないということです。
不安を見ましょう、というのは、
ずっと不安なままでいましょう、という意味ではありません。
繰り返しを見ましょう、というのは、
ずっと同じ行動を続けましょう、という意味ではありません。
自分責めを見ましょう、というのは、
ずっと自分を責め続けましょう、という意味ではありません。
そうではなく、
変えるために、まず見るんです。
何が起きているのかが見えないまま変えようとすると、同じところをぐるぐる回ってしまいます。
だからまず、見る。
そこから、選べる行動が増えていきます。
変える前に見ると、少し間ができる
反応に気づけると、ほんの少し間ができます。
不安が出た。
でも、
「私は弱いからだ」
と決めつける前に、
「今、身体が反応しているんだな」
と見られる。
考えすぎている。
でも、
「またダメだ」
と責める前に、
「今、確認する反応が出ているんだな」
と見られる。
自分を責めている。
でも、責めてしまった自分まで責める前に、
「今、自分を責める反応が出ているんだな」
と見られる。
そのほんの少しの間に、
今までとは違う選択肢が生まれていきます。
「この自分ではダメ」から離れてみる
変わろうとして苦しくなるとき、少しだけ見直したいのは、
「この自分ではダメ」
という前提です。
この自分ではダメだから変わる。
この反応がある私はダメだから変える。
早く別の自分にならなきゃいけない。
この前提が強いほど、今の自分を見るたびに苦しくなります。
だからまずは、こう見てみます。
「この自分がダメなのではなく、今、反応が起きている」
「私がダメなのではなく、そうなる流れが出ている」
消す前に、まず見ていく。
この見方に変えるだけでも、自分との関わり方が少し変わっていきます。
変化は、否定からではなく理解から始まることがある
変化は、
自分を強く否定することでしか起きないわけではありません。
むしろ、
「なんでこうなるんだろう」
と分からないまま否定し続けると、苦しさが増えてしまうことがあります。
でも、
「なんだ、こうなっていたのか」
と見えてくる。
不安は、身体が先に反応していたのか。
考えすぎは、安心したくて確認していたのか。
自分責めは、対処できる形にしようとしていたのか。
そう見えてくると、
自分を責める以外の見方が生まれます。
変化は、
今の自分を否定することだけではなく、
今の自分の中で何が起きているのかを理解することから始まることがあります。
変わろうとして苦しくなる自分も、責めなくていい
ここで覚えておいてほしいことがあります。
変わろうとして苦しくなる自分も、責めなくて大丈夫です。
早く変わりたいと思うことも自然なことです。
反応をなくしたいと思うことも自然なことです。
もう苦しみたくないと思うことも自然なことです。
だから、
「変わろうとして苦しくなった私はダメだ」
と責める必要はありません。
まずは、
「今、変わろうとして苦しくなる反応が出ているんだな」
と見ていきます。
少しだけ間ができる
変わろうとして苦しくなる流れに気づけると、ほんの少し間ができます。
その間に、小さな選択肢が生まれます。
「今は、反応をなくすより、何が起きているのかを見てみよう」
「今は、早く変わろうとするより、少し落ち着いてみよう」
「今は、自分を責めるより、流れを見てみよう」
「今は、できたかできなかったかではなく、気づけたことを見てみよう」
大きく変えようとしなくて大丈夫です。
まずは、
変わろうとして苦しくなっていることに気づく。
そこから、少しずつ選べる行動が増えていきます。
5時間目のまとめ
この時間で分かれば十分なのは、この3つです。
- 変わりたい気持ちは悪いものではない
- でも「この自分ではダメ」という前提で変わろうとすると、反応を見張って苦しくなることがある
- 反応をなくそうとする前に、まず「今、反応が出ているんだな」と見ることが大切
変わりたいと思うことは、悪いことではありません。
でも、
「この自分ではダメ」
「早く変わらなきゃ」
「この反応をなくさなきゃ」
という前提で変わろうとすると、
反応が出ているかどうかを何度も見張って、苦しくなることがあります。
だからまずは、
「変える前に、見る」
「なくす前に、気づく」
そこから、少しずつ選べる行動が増えていきます。
次の時間では
次の6時間目では、ここまで見てきた流れをまとめます。
考えたくないのに、考えてしまう。
不安になりたくないのに、不安になる。
やめたいのに、繰り返してしまう。
自分を責めたくないのに、責めてしまう。
変わろうとして、苦しくなってしまう。
これらは別々の悩みに見えます。
でも、よく見ると共通する流れがあります。
次の時間では、ここまで見てきた内容を整理して、
「身体」
「意味づけ」
「行動」
という流れを見ていきます。
まだ言葉を覚えなくて大丈夫です。
まずは、
身体が反応したあとに、頭の中で理由や解釈がつくことがある。
そのくらいに見ておいてください。
そして最後に、これまで見てきたものを、
そとがわメソッドではどう捉えているのかをお話しします。
次の講座
6時間目|ここまでの流れを整理する